武蔵小杉の駅からバスで川崎市民ミュージアムへ。
たまたまギャラリーツアーにぶつかったが、例によって参加せず、それでいながら聞き耳を立てていた。
それで、今日、悟ったことは、わたくし、なんどかこういったギャラリーツアーに参加する機会にでくわしながら、必ず無視してしまうのは、オフの日は、片時も他人のスケジュールで動きたくないという意識が働いているらしいのだ。
ウイークディに、ぎしぎしに巻ききっている自分の時間を、休みの日にはほぐしてやらなければならない。
それで聞かないふりして聞いていた話によると、横山祐一の線はほとんどすべて定規で引かれているそうだ。たぶん雲形定規なんだろう。遠くで聞いているからよく聞こえないのだ。
ところで、この展覧会はめずらしいことにフラッシュをたいたり、他の人の迷惑にならないかぎり、撮影可だったので、会場内の様子を写真に撮ることができた。
こんな感じ。
円形に並べたテーブルに、マンガの原稿が並べられている。
私は「トラベル」が気に入った。
こっちも歩きながら見ていくせいもあって、こちらの時間がマンガの中の時間とシンクロしていく感じが楽しかった。
いわゆる‘マンガ’、少年誌や青年誌に連載されたりアニメ化されたりするマンガは、絵としては、夏目房之介がいうように、良くも悪くも記号化されすぎている。あまりそれが進むと絵の生命感がなくなると思う。ファイナルファンタジーのCG美女なんかはそれに近い状況ではないかといいう気がする。
横山祐一のネオ漫画を見ていて、漫画というのはまだまだいろいろなことができる世界なんじゃないかという新鮮な感じを味わった。
絵画作品もいいなと思ったし、マンガとそんなに違和感なく、共通の作家性を感じた。
<トラック、カブ、山奥>
とか、
<タンカーと高層マンション>
とか。
ジョン・ルーリーを観たときもそう感じたが、オリジナリティーのある人はオリジナリティーがある。けして、どこかで観たことがあるような絵は描かない。
ちょっと家を出るのが遅かったのと、一緒に開催されている「マガジンカバーの世界展 」と「木村伊兵衛写真賞35周年記念展」も覗いたので、南武線ついでに訪ねるつもりだった府中市立美術館の「ノーマン・ロックウェル」は、また次の機会にということにした。
今日は、アンダーこそ半袖だったけれど、フリースのプルオーバーにモールスキンのカーディガンを羽織っていたのに、それでも肌寒かった。