僭王斃る

菅直人
自民党さんの案を参考に・・・」
は、歴史に残る迷言だと思う。
去年の夏に民主党に政権を預けた国民を完全にバカにしている。
自民党案を参考にするなら、別に民主党に政権の座にいてもらわなくていい。自民党に席を譲ればいい。
そう思ったのは私だけではなかったらしい。それにしても予想以上の惨敗。
温和な日本人のこととて、それでも、政治的な安定を求めるのではないか、という内心の予想ははずれた。
二大政党下で、民主党がこければ自民党が伸びるのは当然として、やはり、みんなの党の躍進はめだつ。
マスコミでは、誰も口に出して言わないが、渡辺喜美が、小泉構造改革の正統な継承者であることは疑いようがない。
そして、江田憲司は、経済財政諮問会議を立ち上げた橋本龍太郎の、直系の弟子である。
あの麻生政権を飛び出したこの二人を、国民が支持した意味は、誰の目にも明らかなはずだ。
郵政選挙、去年の政権交代の選挙、そして、今回の選挙と、国民の支持がころころと変わりすぎるという意見が、マスコミの一部で聞かれるけれど、それは、
‘国民が改革を支持している’
という事実を認めないためだろう。
‘国民は改革を支持している’
一連の選挙結果が示しているのは、この単純な事実にすぎない。
改革を推し進めないかぎり、この国に未来はない。
日々、現実を見ている普通の国民は、そう肌で感じていて、その実感は、目先の政治的安定などに目を奪われるほど弱いものではないようだ。
実際、
国民新党亀井静香郵政民営化を5日でひっくりかえした張本人)、
立ち上がれ日本(平沼赳夫郵政民営化反対で自民党除名、与謝野馨=麻生政権の財務大臣
新党改革舛添要一=麻生政権の厚生労働大臣
等に対する国民の審判も、また同じことを示している。
今日の神奈川新聞によると、松沢成文神奈川県知事は
民主党は、マニフェストをもてあそんだ罰が当たった」
と語ったそうだ。
ほんとうに、公約の実現のために汗を流す姿勢さえ見えていれば、国民に見放されることもなかっただろうに。
普天間問題にしても、消費税増税にしても、官僚の言いなりになっているのはみえみえ。
今にして思えば、政権交代のただひとつの意義とは、自民党から麻生政権の主要閣僚を追い出したことだけだった。結局、民主党は、改革の僭称者にすぎなかったということなんだろう。
そうと決まれば、これ以上、民主党などというエセ改革者に道草してもしかたがない。
ジャマだからどいてもらおうか。