コミック・ジャーナリズム

実家にいるとふだん見ないテレビ番組を見ることになる。
朝の番組で渡辺喜美原口一博がなんか話していた。司会者から判断するとフジテレビだなと見ていたら、突然VTRが挿入されたのだけれど、これが実にシュールで唖然としてしまった。
和歌山のどこかの市長が元高校球児なのだそうだ。市長室でバットの素振りをしている。
その市長のもとに中央官庁からの出向で、東大出のエリート官僚が来ている。
で、この官僚が何をしたかというと、麻生政権のバラマキ政策のカネをひっぱってきて、市の小学校の校舎を全部耐震化した。
「官僚ならではの手腕を発揮して」
とナレーターは言っていた。
「彼がいなければできませんでした」
と市長が言っている。
「ずっとこっちにいてほしいわ」
と地元のおばちゃんが言っている。
最後に、その中央官僚が住んでいる部屋が紹介されて(クーラーもない部屋で缶ビール飲んでますみたいな)、
「官僚の給料は仕事に比してけして高くないと思いますよ」
と、彼自身のコメントが紹介される。
渡辺喜美原口一博の表情がワイプで抜かれる。
と、文章で書くとこれだけのVTRで、要約すれば、地方に出向した中央官僚がバラマキ政策のカネをひっぱってきて実績をつくっているというだけのことなんだけど、なぜかVTRのつくりが感動的に作ってあって、終いまで見なかったけれど、最後に、一般観客とかが「感動しました」とか泣きながらコメントをつけかねない感じだった。
あれは一体何を言いたかったんだろう?まったく理解できない。
私見を述べさせていただくと、東大出のエリートが、クーラーもない部屋に住んで、缶ビールを飲むのが唯一の楽しみみたいな貧弱な生活で満足していて、国の税金を右から左に転がすことが高い給料に見合う仕事だと本気で考えているとなると、この男の将来はほとんど見通せてしまう。
今年の猛暑、熱中症にやられてくたばらなければ、末永く公金に巣食う官僚ライフを全うされることだろう。
報道ステーションでは円高のニュース。
古館伊知郎が、
「この円高は、日本が不良債権の処理をすませていたという一面もあるわけで」
と、なんだかのんきなことを言っていた。
経済の門外漢が経済について知ったかぶりをするのは危険だと思うが、この円高の原因は泥沼化したデフレだという気がするのだけれどどうなんだろう。
NHK−BSで「"マンガ”戦場にいく」という番組。
戦場カメラマンではなくて、戦場マンガ家っていうのが生まれているんだと知って
「なるほどな」
と思った。
報道がマスコミを見捨てつつあるんだと思う。
ジョー・サッコの『パレスチナ』は邦訳もあるようだ。

パレスチナ

パレスチナ