三菱一号美術館

ここは東京駅を越えた向こう側なので、さすがに歩いた。
こちらはほんとにコレクション展示である。
こういうキュレーション意識のないただの羅列展示は自分で取捨選択してみていかないと、あとで金持ちの道楽に付き合わされた気分だけが残る。
アルベール・マルケの<トリエル、晴れた日>という河の絵があった。
マルケは、ことし別々の展覧会で三度目。静かな川面や入り江の絵は絶品だ。
クロード・モネの<草原の夕暮れ>という絵が素晴らしかった。
女性が腰を下ろした草原を、遠くの木立に没したばかりの夕日の名残りが染めている。
移ろう瞬間の光をこんなに繊細に描きとることは、たぶん写真でさえできない。
点描や筆触分割を多用する印象派の亜流は、結局モネの足許にも及ばない。
この美術館においてあるパンフレットで、太田記念美術館で10月1日から「ハンブルグ浮世絵コレクション」というのがあるのを知った。鈴木春信があるみたいなので観にいかねば。