台風12号が、日本列島の双曲線のような軌道を描いて、根室沖に去っていった。
午前中は外出を控えていたけど、昼をすぎると、ブラインドの向こうでみるみる青空の気配がふくらんでいく。
室内にいるのはもったいない気がして、T77をカバンに入れて写真散歩にでかけた。
ほんとうは、ついでに映画でもと思っていたのだけど、道に迷ったし、迷うつもりでもいた。少し運動不足を自覚している。
西脇順三郎の『近代の寓話』から
「秋」という詩、部分だけど。
タイフーンの吹いている朝
近所の店へ行って
あの黄色い外国製の鉛筆を買った
扇のように軽い鉛筆だ
あのやわらかい木
けずった木屑を燃やすと
バラモンのにおいがする
門をとじて思うのだ
明朝はもう秋だ