似たもの同士

 日本では反中国デモ、中国では反日デモ
 日本海をはさんで、盛り上がっているのは、前時代的な国家主義者という、似たもの同士だけだ。
 天安門事件のとき、迫りくる戦車の前に立って、両手を広げた若者がいたのを忘れられない。
 それにひきかえ、今のこのデモは何だろう?何かにに立ち向かうどころか、日中どちらも、国家権力のスカートに隠れてじたばたしているだけじゃないか?
 お母ちゃんのスカートの中に頭を突っ込んで、世界から目を背けているだけじゃないか。
 自分の中に祖国を位置づけることができず、逆に、国家の中に自己を埋没させて生きている。自分の価値観では正邪の判断もつけられない。だから、外側から批判されたときだけヒステリックに暴走する。
 彼らは、自分の尻尾に噛み付いて、猛烈な勢いで自分を食い尽くしてしまう。中国人にかぎらず、鎖されたムラ社会にだけ生息する、この手の愚衆の暴走を、誰も止められない。
 日本人にもおなじみだろう。例の、便所の落書き連中が、ネットでやってることを、中国人は実社会でやっている。