‘小沢一郎はあいかわらずで、倒閣してどうするんだ?ということについて、何も見えない’と、つい先日にも書いた。
それもそのはずで、要するに‘ただの脅し’にすぎなかったみたい。
おそらく、勘のいい人ならば、鳩山由紀夫が、辞職勧告決議案に「賛成する」と、発言した時点で、‘本気じゃないな’と気がついたのかもしれない。あいかわらずの大根役者ぶりだったのだから、気がつくべきだった。
小沢一郎という人に、いつもがっかりさせられるのは、何をやるにしても、いつもこちらの期待値を下回るということだと、今回のことで気がつかされた。
震災から三ヶ月も経たない、こんなときに、民主党の内輪もめで、解散総選挙ということになれば、政権交代から積もりに積もった不満は、一気に民主党に向かうことは目に見えている。
小沢一郎が、それでもあえて民主党を分裂させてまでも、菅直人を引きずり下ろす決意だったのなら、それはそれで国民に訴えかけるものがあったろうと思う。
だけど、それはできないんだね、小沢一郎という人は。
で、国民の目から見た場合、たとえば、私みたいに昼間しごとをしていて、帰宅して結果を知った(そういう人も多いと思うが)という場合、‘ああそういうことね’となるわけ。つまり、‘中学生のカツアゲね’と。
‘中学生のカツアゲ’と、さらに事情が似てくるのは、あとから子分がいきおいづくことで、‘ミスター友愛’こと、鳩山由紀夫が、‘6月いっぱいでやめるっていったろ’みたいなことを、記者の前でしゃべっちゃった。
あまりにもぐたぐたなので、誰も指摘しないけれど、鳩山由紀夫が言っていることは、‘一国の首相の出処進退を、数人の幹部が密室で決めた’と、大声で叫んでいるのとおなじことなのである。
(沖縄基地の‘方便発言’から、まったく何にも学んでないな。)
国会での決議を取り引きの材料に使ったということ。これは大問題なので、自民党や野党は、むしろここを突いていけば、民主党は自然に瓦解する。選挙が何年後であっても、もう誰も民主党には投票しない。
小沢一郎の、自分の党の党首がつとめている総理大臣の辞職勧告決議案に賛成する(たとえそれが脅しにすぎなくても)というような、今回の手法は、それほど危険な禁じ手だったはずだ。
小沢一郎としては、菅直人は、脅せば折れると読んだはずだが、読みどおりには折れなかった。そして、さらにまずいことには、子分たちが暴走し始めて、収拾がつかなくなっている。
いま、民主党のいろんな国会議員が、菅直人の辞任時期について、勝手に発言している映像がテレビでばんばん流れているけれど、そういうことって、表だって言うことじゃないわけ。そろいもそろって素人かよ。
菅直人は、実は、今、逆襲のチャンスなのだが、たぶん、気がついていないのがリーダーシップのないところ。
辞表を提出した閣僚は辞めさせて、賛成票を投じた議員は処分する。原口一博を重要なポストに迎えればよいだろう。いま非主流側で、有望な若手って彼しかないし。そして、‘辞めない’を貫くこと。
党内は大揺れに揺れるだろうが、辞職勧告決議案をいったん否決したあとでは、内紛を煽れば煽るほど、煽った側に批判が集まる。
ところで、鳩山由紀夫が‘ペテン師’云々をいっているが、沖縄の人が聞いたらどう思うでしょうね?