『ペルセポリス2』

knockeye2011-09-09

NHK、地デジ移行で解約9万件 8月末時点  :日本経済新聞 NHK、地デジ移行で解約9万件 8月末時点  :日本経済新聞
だそうだ。
 「9万」は世帯数だから人数にするとさらに多くなる。ちなみにわたしはこの数字に含まれていない。そんな決然とテレビをやめたわけじゃなく、‘そのうちに’と思っているうちにどうでもよくなった。たしかに受信料を払い続けるのはばかげているかも。

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

 14歳でウイーンでひとり暮らしを始めたマルジのちょっとした貴種流離譚
 14歳って日本でいえばまだ中学生、千原ジュニアが芸能界入りした歳。そんな歳で、文化は違う、言葉もろくに通じない環境で、まったくひとりで暮らしていくつらさは、自分自身がその年の頃どうだったかを思うと、なにかいたましい。
 しかも、ウイーンの同級生たちは「戦争なんて気を引くためのウソに決まってる」なんて陰口をたたく。でも、1980年代のウイーンの子どもたちが、戦争を理解しないのは当然かも知れなかった。
 失意のうちに帰郷したマルジは、「西洋ではイラン人、イランでは西洋人」という孤独を感じることになる。テヘランとウイーンの彼女を取り巻く環境の落差には、自由について考えさせられる。自由な国で不自由に生きている変な人もいる。不自由な国で自由を失わない人もいる。
 一巻からそうだけれど、ご家族がとても魅力的。とくにおばあさんが印象に残った。
 ウイーンに旅立った歳からちょうど10年後、離婚をへて、こんどはフランスのストラスブールへ旅立つところでこの巻は終わっている。そして今度は帰らなかった。
 繰り返しになるけれど、絵もすごくいいと思う。黒と白の使い分けに独特のリズムがあって、目に心地よい。
 ところで、NHKの大ヒットドラマ「おしん」が出てくる。それで思った。日本もたしかに変な国だなぁって。