映画「ワイルド7」は観にいくかどうか迷ってたのだけれど、下の望月三起也のインタビューを読んで観にいくことに決めた。
漫画を読まない中井貴一が、「ワイルド7」だけは全巻持っていて、出演のオファーにふたつ返事でOKしたとか、椎名桔平がデビュー前から望月三起也のサッカーチームでプレーしてて、「ワイルド7」をやるときは使ってくれといってたとか、そういう出演者の熱みたいのが、ストレートに伝わるっつうか。
出演者だけじゃなくて、クライマックスシーンは、ロケ地の北九州にある‘いいちこホール’というところを使っての撮影なのだそうだが、担当者が「ワイルド7」のファンで、内部の反対の声を説き伏せたということ。
映画を観てもらえば分かるけれど、バイク7台が、ビルの中を走り回り、エスカレーターを駆け上がり、ホールはグレネードランチャーで爆破してもらってるんだから、ファン冥利に尽きるというところか。
いしかわじゅんが書いていたけれど、とにかく「ワイルド7」ていうのは、かっこよければそれでよいので、かっこいい男といい女が、かっこよくバイクを乗り回していなければ成立しない。
それは口で言うほど簡単じゃないんだけど、今回なかなかいい線いってたと思う。監督の羽住英一郎は、「海猿」の人で、スケール感がある。
瑛太の飛葉ちゃんもよかった。ヘボピーはやせスギじゃないかと思ってたけど、巨漢なので、絵的には成立してた。今という時代はむしろあの方が説得力があるかも。
「悪をもって悪を制す」という、ワイルド7の設定自体が、原作の当時より今の方がリアリティーがあるのかも。と、そう思わされている時点で、‘してやられている’のだけれど。
途中、ステージで踊っているのは松本さゆきだ。その辺もつぼをおさえている感じ。
クライマックスのエピソードは、ブルース・リーの「死亡遊戯」とか、根津甚八が大河ドラマでやった石川五右衛門とか、けっこう王道な盛り上げ方だけれど、それをバイクのスピード感でやったのがえらい。
「海猿」みたいにシリーズ化するつもりだという話も。
それから、劇場の観客の層が幅広かったのにちょっと驚いた。小学生からアラフォーらしき女性まで。
私の何列か前に座っていた女性は、劇場が明るくなった立ちぎわに
「ユキが死ぬとこやるのかと思った・・・」
とか、連れの男性につぶやいていた。
ファンの裾野が広いんですよね。「ワイルド7」、かっこいいから。