埼玉県立美術館で草間彌生展、永遠の永遠の永遠。
草間彌生は、1929年生まれで、1960年代のビッグネームだが、今回展示されている作品のほとんどすべてが新作で、しかも、過去の作品とはまるで違うという点にまず驚かされる。
会場で流されている映像では
「ピカソもウォーホルも超えてもっと上に行きたい」
「100年でも200年でも生きて描き続けたい」
「あたしってなんて天才なんだろ」
という一方で、不安神経症、強迫神経症をかかえ、つねに自殺衝動にさいなまれ、絵を描くことで死の恐怖と闘っている。
強さを思うのは、この歳になっても、自我という過去を惜しげもなく捨て去って、芸術を信頼して、描くことで新しい自己を再生し続ける姿。
草間彌生ほどの人であっても、生きるつもりなら、今を生きるしかない。過去に生きられる人なんていない。