「ポテチ」

knockeye2012-06-09

 渋谷で「ロボット完全版」を観にいく予定をとりやめて、新宿で「ポテチ」。
 2時間57分の超大作を1時間8分の中編に。1時間49分も時間の節約になる。オススメ。
 中村義洋という人はすごーくシナリオが上手いわけ。「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「ジャージの二人」と、あえて伊坂幸太郎原作以外の作品を例に挙げても、うまいなっていうことがわかるでしょっていう。
 もちろん、「アヒルと鴨のコインロッカー」、「フィッシュ・ストーリー」、「ゴールデン・スランバー」と伊坂幸太郎原作の映画はもう名コンビと目されつつあるかもしれない。音楽の斉藤和義とも。
 東日本大震災以後の伊坂幸太郎作品の映画化として、この1時間8分のちいさな映画っていうのが、パンドラの筺の底に残った希望くらいの小ささでちょうどいい。
 みんな泣いてたよ。

 ただ、見終わってもまだそれから「ロボット」が2回見れるくらいの時間なんだけれど、そんな気分でもないので、太田記念美術館国芳一門猫づくしを観にいきました。
 国芳一門といいつつ、国貞の絵もあったのですが、国貞の猫はへた。国芳は、やっぱり猫が好きなんだね。おなかのぷっくりした感じとか、後ろ肢を手のひらにのせて抱き上げる感じとか、猫を飼っている人でないと。
 ほんとは国芳一門以外の猫もあるかと期待していた。鈴木春信の猫もかわいいですよね。

 もっともこの猫は

浮世絵 消された春画 (とんぼの本)

浮世絵 消された春画 (とんぼの本)

『浮世絵 消された春画』という本の表紙の片隅。<綿摘み>という絵の部分です。
 この本の著者、リチャード・レインの努力に負うところもきっと大きいと思うけれど、最近、ようやく春画をちゃんと評価しようという気運が出てきているようで、来年、2013年春、大英博物館春画の大規模で体系的な展覧会が開かれるようです。
春画 EROTIC ART IN JAPAN - 大英博物館所蔵

春画 EROTIC ART IN JAPAN - 大英博物館所蔵

 春画ぬきにして、北斎歌麿を語ってもしょうがないっていうところはありますもんね。