on the second thought

knockeye2012-09-06

 「当意即妙の答えは24時間後れでやってくる」は、マーク・トウェインの名言だが、24時間後であっても、答えがやってくるだけ、さすがはマーク・トウェインで、凡人は、ああでもないこうでもない、そういえば、ああいうこともあったこういうこともあったと、千々に思いが乱れるばかりで、そのうち忘れちゃう。
 昨日書いたことをいろいろ考えているうちに、極東軍事裁判で石原完爾がいった言葉を思い出した。彼が行った錦州の誤爆について、この程度のことは第一次大戦のロンドン空爆や第二次大戦での東京大空襲などに比べたら問題にならない規模だと語り、
「・・・多少、弾丸が他に散ったかも知れませんが・・・」
 この手の、‘欧米もやってるじゃないか’論は、右翼の代表的な論法で、都合が悪くなると、ふだんこき下ろしている欧米の背中に隠れる。まるで小学生のいじめっ子。逆に、‘日本もやっているから私たちもやった’と主張する欧米人がいるかどうか考えてみれば、右翼という連中の‘恥ずかしさ’がわかる。私には生理的に受け入れられない。
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 それから、シャルロット・ペリアンが柳宗理に語った
「日本はどうしてヨーロッパの国々からその国の純粋さと簡明を誇る美しい伝統をまったく失ったものばかり取り入れるのでしょうか」
という言葉も思い出した。
 吉田健一の『ヨオロッパの世紀末』は、このシャルロット・ペリアンの問いに対する明確な答えにもなっている。
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 今月は見たい映画がいっぱい。
「かぞくのくに」、「夢売るふたり」(「ディア・ドクター」の西川美和監督)、「鍵泥棒のメソッド」(「アフタースクール」の内田けんじ監督)、「こっぴどい猫」(モト冬樹還暦記念)、「ライク・サムワン・イン・ラブ」(アッバス・キアロスタミ監督の日本映画、加瀬亮)、「デンジャラス・ラン」、「カルロス」(オリヴィエ・アサイヤス監督、三部作、上映時間5時間半!)。
 それに、「ひみつのアッコちゃん」の脚本が大森美香だと知って俄然興味が湧いてきたし、「るろうに剣心」も谷垣健治のアクションが話題らしい。
 「夢売るふたり」の西川美和監督が今週の週刊文春阿川佐和子のインタビュイーだけど、
阿川 何が辛かったんですか、助監督は。監督に怒鳴られたり。
西川 ウーン、これはあまり言ってないことなんですけど、結局、わかんないですよね、他人の話なんて(笑)。
阿川 他人がつくった話がってこと?
西川 そうです。他人ですからね、監督も、脚本家も。
阿川 おかしい〜(笑)。