ジェームズ・アンソール、ポール・デルヴォー

knockeye2012-09-25

 新宿の損保ジャパン東郷青児記念美術館で、ジェームズ・アンソール、府中市立美術館でポール・デルヴォーというベルギーを代表する画家の展覧会が開かれていて、どちらにも出掛けたのだけれど、ジェームズ・アンソールの絵には、今回はあまり惹かれるものがなかった。ことさらに奇をてらっているように見える。着想の卓抜さという点で比較すれば、横尾忠則の方が数段上。
 おなじベルギーの画家でもフェリシアン・ロップスとかフェルナン・クノップフのほうがわたしは好きかも。
 ポール・デルヴォー展では、<ダニエルの習作>に再会した。

 こんなに大きな絵だったっけ?と感じたことからすると、じつは再会ではないのかもしれない。絵はがきで持っているだけかも。
 ポール・デルヴォーは、このような写実的なデッサンから出発して、わたしたちのよくしっている、あの目の大きな夢の女たちへ旅立っていく。写実を超えてイメージに迫ろうとする。
 寺尾勝広、新木友行、湯元光男、アトリエ インカーブ3人展にもいった。展示期間が短いのは、もうすぐはじまる篠山紀信の大回顧展を準備する間、展覧会場を貸したということなのかもしれない。いわゆるアール・ブリュットの作家たちだけれど、職業として成立するかどうかとか、美術史のなかにどう位置づけられるかとか、そういう意識と無関係に発生するこうした絵は訴えかける力が強い。
 サザビーズの競売価格とか、アカデミズムの評価などはちいさなことで、わたしたちが絵に感動するのは、わたしたちがもともと絵を描くいきものだからこそだと確認させてくれる。