日曜はすごくいい天気だった。
アベノミクスのせいかどうかしらないけれど(絶対違う)、最近、急に仕事が忙しくなって、日曜の天気を思い出すのもちょっと遠い気分。
朝一番で映画を観た後、恵比寿の山種美術館。「琳派から日本画へ 和歌のこころ・絵のこころ」となっているけれど、まあ、所蔵品展。
山種美術館がいまの場所に移転してから気になっていることがひとつあるのだけれど、あの展示室の湿度管理は大丈夫なんだろうか?。いつもむーっとしている気がする。地下室にしたのが失敗じゃないかと思う。
小林古径は、山種美術館を訪ねるようになってから好きになった画家だったなと、<火禾采(火と禾で一字です)>を見ていてそう思った。なんにせよ何かを好きだなぁと気付くときの気分はいいものだ。小倉遊亀の<惜春>が好きで、そこに描かれている古九谷の器が、小林古径から贈られたものだと知ってから、だんだん意識するようになったのかもしれない。
珍しいところでは、柴田是真の漆絵が一点、酒井抱一の弟子で、早死にした酒井鶯浦の絵が一点。会期は三月末までだが、3月3日に展示替えがある。
前期展示の川端龍子の<八ツ橋>は、防空壕の中で描きつづけたというカキツバタだが、川端龍子だし、光琳とはちがってごつごつしている中に、白花だけが吐息のように見えた。
そのあと、渋谷のBunkamuraギャラリーで、金子國義展。ギャラリーなので、絵と同時に値札も目に入る。油彩になると900万とかするのね。そのせいか、親しみやすい価格の、リトグラフの方がいいと思ってしまった。
新宿の東郷青児記念美術館で、フィナーレ選抜奨励展。
フィナーレというのは、なんかいままでは団体の推薦とかだったのを、これから公募にするみたいなことらしい。
福井路可のものが抜群によいと思えた。
ああ、それから、笑っちゃったの書き忘れたけど、山種美術館の展覧会でポスターにも使われている酒井抱一<秋草鶉図>の黒い月は、俵屋宗達のもののように、銀が錆びてああなったのかと思いきや、じゃなくて最初から黒く描いてあるんですと。抱一に同時代性を感じてしまった。なんかジーパンのヴィンテージものみたいな感覚だよね。でもない?。