水素発電の今について

knockeye2014-02-24

 既得権益にしがみついて、あるべき未来を思い描くことができない人が「現実」という言葉を使うとき、そこには死んだ現実しかない。「変化」という概念が理解できない、まるで、中世の神学者のようだ。
 時計の針を少し巻き戻してみれば、スティーブ・ジョブズはただのヒッピーだった。当時の大人たちは彼らの夢想を笑ったが、ほんとに現実的だったのは、どっちだった?。
 原発再稼働が「現実的」であるかどうかは、ここではいわないけれど、ソニーがアップルやサムソンに取って代わられたのは、技術がなかったからではなく、その技術が実現した未来の社会を思い描く、わくわくする遊び心と、その実現に向けて、最初の一歩を踏み出してみる勇気がなかったからだ。
 トヨタはこの夏からFCVの量産に入る。FCVの燃料である水素は、自然界にふんだんにあり、利用しても水に戻るだけのほんとのクリーンエネルギーだ。
 そして、川崎重工は、2017年をめどに、水素発電設備を世界ではじめて量産すると発表した。これが普及して、自動車の燃料にも、発電の燃料にも、水素が使われるようになれば、水素の価格は劇的に下がる。
 原子力発電は、世界が見放し始めている。その理由については、ここでは書かない。それに代わるエネルギーとして、風力、地熱、太陽光、ガスなどがあげられるが、風力は、発電量の不安定さと騒音、地熱は、日本では有力(阿蘇、松川などで実績もある)だが、地域が限定される、太陽光は補助電力としては有力だが、メガソーラーは土地をとりすぎるし、夜間はまったく機能しない。最も有力なのは、アメリカが権益を握るシェールガスだが、これには、クラッキングによる環境汚染の問題があり、近々破綻するだろう。 
 こういう現状を考えると、エネルギーの主役が水素に代わるのは、もはや、未来とさえいえない。もう足下が揺れ始めている。
 その主要な技術を持つ企業を、日本は国内に抱えている。このチャンスを、原発既得権益連中に邪魔されるとか、政府が法制度の整備を怠るとかでとりのがしたりしたら、今度こそほんとに滅びかねない。今すぐ着手しないともう遅いくらいだ。