「ニューヨーク・アニバーサリーライブ」の第一弾、ポール・マッカートニーの「グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ」に行ってきました。
2009年、シィティ・スタジアムのこけら落としとして行われた、ポール・マッカートニーのライヴなんだけれど、シィティ・スタジアムっていうのは、もとの「シェイ・スタジアム」で、ここは、1965年に、ビートルズが世界で初めてスタジアムライヴをした場所。ビートルズとして初めてじゃなくて、スタジアムライヴそのものが世界で初めてだった。
それで、ボールが当時のことをちょっと茶化して語るし(ウケます)、「アイム・ダウン」のところでは、当時の映像もオーバーラップする。ということは当然、ジョンとジョージのコーラスも入るわけ。
でも、すごいのは、ポール・マッカートニーののどはどうなってるんだろう?、1965年のそのときは、スタジアムライヴ自体が手探りだったろうから、機材の技術が追いついていないってことはあるんだろうけれど、2009年ってこないだじゃないですか?、そのときの方が声がパワフルに聞こえたんですけど。シャウトとかファルセットとかも。
公式サイトにセットリストがあるから見てもらえばいいけど、全部で33曲、後半にいくほどグルーヴ感っていうのか、ますますのってきた印象でした。それはやっぱり「シェイ・スタジアム」ってことが大きいんだろうと思いました。
それで、ネタバレとか言われるとこまるんだけど、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を歌うんだけど、あの曲はアルバムでは、ジョンのパート、ポールのパート、そして、ジョンのパートじゃないですか。だから、当然ながら、このライヴでは、まず、ジョンのパートをポールが歌う。ここでもうぐっと来るものがあるんだけど、ポールのパートが終わって、次のジョンのパートのところで、「Give Peace A Chance」にメドレーするんです。
今思い出しても、‘ひー’ってなる。ジョンのパートどころか、ジョンの歌を歌う。ジョンはニューヨークで死んでるんだからさ。
そして、セットリストを見てもらえばわかるけれど、「サムシング」も歌います。ジョージにもらったウクレレってのを持ってきて歌い始めます。
つまり、シェイ・スタジアムで、ポールが、ジョンとジョージの歌を歌います。泣きそう(実際には、「カリコ・スカイズ」あたりからもう泣いてたかもしれないけど)。
いや、すごかった。大画面で観る価値があると思います。
「ゲット・バック」なんかは、映画「レット・イット・ビー」の最後でアップルの屋上で歌うじゃないですか?だから、今でも比較できるわけだけれど、あのときの歌声と変わらないと思う。
ラストは「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から「ジ・エンド」のメドレーなんだけれど、ビートルズは「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」とか「アビー・ロード」のころには、ライヴをやめていたし、当時は、あの辺の楽曲はライヴで再現できないと云うのがなんとなく常識だったと思うし、たぶん、ほんとにできなかったと思う。
だから、もし、いま、ジョンとジョージが生きていて、ビートルズが再結成したら(とうてい想像できないけど)、ライヴはこういう終わり方していたのかもなみたいな感慨はあった。
これはほんと大きい画面で、いい音で観る価値ありです。
ビートルズ時代の曲も多いのだけれど、改めて聴いてみて、ビートルズの曲って、クレジットどおり「レノン/マッカートニー」の楽曲なんだなとしみじみ思った。