「ぼくたちの家族」

knockeye2014-06-02

 石井裕也監督の「ぼくたちの家族」を観た。
 前の「舟を編む」の脚本は、監督自身ではなく、渡辺謙作という人だったそうだけど、今回は、石井裕也監督脚本だ。
 それで気がついたけど、この人の感覚はオフビートだな。どこか斜に構えている。
 笑福亭鶴瓶ポッドキャストの番組に、「青天の霹靂」の劇団ひとりと、この石井裕也が相次いで来た。公開日も同じだし、相乗効果に乗せられた感もあるな。
 二十代最後の映画とかいってる。自分のことを思い出すと、まだ物心ついてないもんな。すごいよな。
 「社会というものはありません。あるのは個人と家庭だけです。」っていう、マーガレット・サッチャーの言葉があるけれど、それを思い出すのは、あなたの奥さん、お母さんの余命があと7日です、って言われたときに、社会がどうの、世間がどうの、ていうヤツは、やっぱクズだろうな。
 自分の親が死んだのを隠して、年金もらい続けてる人がいるらしいけれど、そういう人たちだろうな。
 それにしても、余命七日って、これ実話だそうだから、その診断がほんとにあったんだろうけれど、短すぎだよね。
 エリザベス・キューブラー・ロスも、エンディング・ノートもありゃしない、その‘超高速余命’を、この家族はどうあがいたかを、石井裕也流のオフビートで描いている。
 今、気がついたけど、カレンダーがまだ5月のまま。時がたつの早いな。