永瀬正敏のインタビュー

knockeye2015-01-19

 映画「KANO」の公開を控えた永瀬正敏が、週刊文春阿川佐和子の今週のインタビュイー。
 「KANO」は観に行こうと思っている。「ニッポン、ヨイ国、エライ国」みたいな映画ならあほらしいんだけど、「どうせ、そういう映画だろっ!」みたいなことで、台湾でも「反日」的な運動が、永瀬正敏によると、「起こりかけた」そうなのだ。
 でも、そういう人たちを招待して映画を観てもらったら、逆にそれから口コミが広がって大ヒットにつながったそうなので、「ニッポン、ヨイクニ」派の人は観にいかないほうがよいだろう。
 「KANO」については観てからのこととして、このインタビューで考えさせられたのは、「毎日かあさん」で、元嫁さんの小泉今日子と共演したときの感想を聞かれて、「損したなぁ」とおもったそうなのだ。「離婚して損したなってことですか?」と訊かれて、「いや、そうじゃなくて、もっと共演しとけばよかった」って。
 それで思ったんだけど、今、結婚する人が減って、少子化とか問題になっているけど、それは結局、結婚という制度が、「かくあるべき」というイメージでガチガチに固まってしまっているし、結婚する当人も「お嫁さん」、「旦那さん」という固定観念に囚われてしまって、もともと惹かれあった自分たちを見失ってしまう、疎外の契機としてしか機能していないためだと思う。
 社会が健全なら、結婚は個人が社会に関与していく契機であるはずだから、結婚が中世の価値観を個人に強要する制度ではなく、むしろ、個人の価値観を社会に反映していくよりどころとなっていかなければ、日本人が、生活者として社会にコミットしていく、公共の意識をもつことは困難だろう。
 フェミニズムの失敗は(って失敗したかどうか知らないけど)、女性を結婚から解放しようとしたことかもしれない。ほんとうは、結婚そのものを解放しなければならなかった。