『禁忌』

knockeye2015-02-11

 仙がい和尚が、橋の下の乞食に袈裟衣を投げてやったことがある。乞食はその衣を着て何食わぬ顔をしている。ややあって橋の上の仙がいをふりむいて、乞食が何と言ったか忘れたけれど、今日のお昼、ツイッター界隈をうろうろしていたら、頭の上から有田芳生のツイートが落ちてきた。
「いつものことですが、名前をつらねて何もしないひとを僕は信用しません。」
 ‘何もしないお前らより、何かしているオレの方がえらい’と思い始めたら、すべてが消え去る。変質する、とか、勢いが鈍る、とかではなく、すべてが消えてなくなる。気がついたときには何もなくなっている。しかし、そんなもんなのである。だからこそ真の変革者は希有な存在なのだ。
 ところで、上のツイートが何を差しているのかも私は知らないので、これは、上から降ってきたツイートに対する乞食の返答以上のものではない。しかし、思っちゃったからしょうがない。
 フェルディナント・フォン・シーラッハの『禁忌』という本を読んだが、前半、面白そうだったのに、後半部分はまるで別の小説みたい。前半と後半がまっぷたつに割れている。さすがにどうかと思った。
 最近、本は、できれば、キンドルで読みたい気持ち。というのは、物理的に本が重いの。でも読みたい本がKindle化されてなくてがっかりする。

禁忌

禁忌