等覚院の躑躅が盛りという記事が新聞に載ったので、新しいカメラの試し撮りに行った。
気がつけばここ何年か写真を撮っていない。撮ろうと思ってカメラを買っては死蔵してばかりいる。これではいかんだろうと気合いを入れて新しいカメラを選び、持ち歩くことにした。
選んだのは、オリンパスの「Stylus SH−2」である。
まず、これといって撮るアテがなくても持ち歩けるサイズ。そして、ある程度は作画意識に応えてくれる設定の幅。それから、実は、わたしの撮影の場合、これがいちばん大事だと最近さとった、「望遠」、もちろん、コンパクトカメラだからズームレンズになるのだが、ズームのテレ端で「寄れる」こと。
わたしは「寄りたい」の。とにかく「寄る」、これが私の写真だと、諦めに似た気持ちで気がついたの。じつはそう気がついてそれに合ったカメラを捜していたのだが、このSH−2のなにがすごいかって、「35mm換算で600mmにズームした状態で40cmまで寄れる」。
これは、お店のカメラ売り場で他の高倍率ズームのカメラと撮り較べてみてください。ズームした側で40cmまで寄れるって、まず、ないよ。せいぜい1m50cmくらいですわ。へたすれば2mとか。
高倍率ズーム使ってるひとに聞きたいけど、大きく写そうとしてズームしたのに、ピントが合わなくて、二三歩あとずさりして撮ったという経験ありませんか?。正直に言いましょうよ。私はある。
でも、このSH−2はテレ端で「40cm」ですぜ。「40cm」って、今や老眼鏡してなきゃ肉眼でもそれくらい離れるんだからさ。いやすごいですわ。
テレ端で寄れなきゃ
こういうのとか
こういうのは絶対撮れない。写真のよしあしはともかく。ワイド端でいくら寄ったって背景が処理できないんですよ。ほしくないところにまでピントが合うし、電柱、通行人、道路標識と、いろいろ映り込んじゃうし。
Stylusの名前どおり、タッチパネルでオートフォーカスの位置を指定できるのも便利だと思った。ただ、うっかりフォーカスロックの解除を忘れるときがあったけど、それはまあすぐなれるでしょう。
マニュアルモードも直感的に使いやすい。ピントを合わせた状態で、十字キーでシャッター速度と絞り値をいじれて、その結果が液晶に反映するし、右下に、たとえば「−1.7」とか露出のオーバー、アンダーの値も示してくれる。
5軸手ぶれ補正も強力なようで、三脚とか持ち歩かないポリシーなら心強い。
これなんかけっこう無茶な撮り方したけど、私基準ではぶれていない。
まだ使い始めたばかりなので未使用の機能も多いものの、今回、助かったのは、色の設定に「vivid」「natural」に加えて「flat」ていうのがあって、ややダイナミックレンジを広めにしているのか、そういう設定があって、明暗差のはげしい被写体には使えるかもしれない。
それから、撮った写真は、Wi-Fiで、私の場合だと、iPadminiに送れる。今日は、110枚以上、RAW+jpegで撮ったのを帰りのバスを待っている間に転送できた。
等覚院の躑躅もひさしぶりだったけど、今日みたいに晴天にめぐまれても、まだ穴場といってよいようで、あんまり混雑してなくてうれしい。少なくとも、藤子F不二雄ミュージアムより格段に空いている。来る途中にあるんだけど、すごい行列でした。