「シェフ〜三ツ星フードトラックはじめました」

knockeye2015-07-06

 「シェフ」っていう映画が、海老名のイオンシネマで、なんかゲリラ的に上映されていた。ジョン・ファヴローっていう「アイアンマン」の監督が、監督のみならず主演、脚本、製作した映画。観た後気がついたけど、この映画、二月ごろにロードショー公開されていたらしい。公式サイトを見ておぼろげに思い出したけど、辻仁成が景気の悪い宣伝とかしてた気がする。その人選はどうだったんだろうと、見終わって考えると何か笑える。
 「海街diary」を観た翌日に、興奮さめやらぬ勢いで、何かもう一本と「ベラ・ヴィータ」っていう映画を観て大ごけしたと書いたけど、こっちだったなぁ。こういうことですよ。
 いきなり、キュウリのカッティング技で観客の目をさまさせる。吹き替えじゃなくて、ジョン・ファヴロー自身が料理の猛特訓を積んだそうです。料理シーンだけでなく、出てくる料理すべてがホントにうまそうで、ホンモノの料理がこの映画のいのちです。
 途中からロードムーヴィー風になるんだけど、これが「ベラ・ヴィータ」とちがって、ロケハンがきちんとしてる。リトルハバナにあるヴェルサイユ・レストランのキューバサンドウィッチ、ニューオーリンズ、カフェデュモンドのベニエ、そして、オースティン、Frankln BarbecueのBriskatってぐあいに、アメリカにもファストフードじゃない食文化があるんだって感動します。それがシナリオに巧みに取り入れられてるのが上手い。
 ブログ、ヴァイン、ツイッターの使い方も上手い。「バードマン」もそうだけど、新しいものを消化していく、アメリカの旺盛な食欲にはやっぱり感服する。
 そして、音楽。映画全体はサルサでアゲアゲな気分だけど、Hoy Como Ayerはブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブを思い出させる。歌っているのはPerico Henandezつう人だそうです。オースティンで生演奏しているのはGary Clark Jr.。2014年のグラミー賞を受賞した人だそうです。
 それから、ロバート・ダウニー・Jrが、元妻の元カレを演じていて、このやりとりが可笑しかった。スカーレット・ヨハンソンも出てますけど、「アベンジャーズ」より楽しそうです。
 アメリカでは口コミでロングランヒットしたらしいけど納得です。
 わたしはエンドロールの最後まで席を立たない主義なんだけど、それは最後におまけがついてたりするから。この映画でもちょっとしたラインがついてて意味深かも。そこまで深読みすることもないかもかな。
 でも「アベンジャーズ」よりこっちを勧めちゃいますね、わたしは。カフエ・デュ・モンドのチェーン店が、新百合ケ丘にあるから、思わず食べに行ってしまいました。ベニエ