「人生スイッチ」〜「ウイングス ロックショウ」

knockeye2015-08-01

*「人生スイッチ」
 アルゼンチンの映画。オムニバス形式で脈絡の無いエピソードが羅列されてゆきます。だから、プロットみたいのはない。実は、一話目のあいつが、最終話のあいつの・・・みたいな余計な心配しなくてよい。
 エピソードとしては面白いけど、それひとつで1本の映画は、ちょっと弱い。だけど捨てがたい、そんな話を持ち寄って、気張りすぎず、かといって、手も抜かず、楽しんで作っている。
 5話目の「愚息」は、資産家のドラ息子が、まるでギリシャ悲劇の主人公みたいに慨嘆して帰ってくる。酒酔い運転で事故を起こした様子。テレビをつけると、妊婦がひき逃げされたというニュースがセンセーショナルに報道されている。資産家は、息子のために弁護士、検事に手を回し、雇い人に言い含めて、身替わり証言をさせようとするが・・・という話。
 わたくし、早とちりな方なので、実は、この「愚息」女の子にフられただけでした、とか、そういうオチだと思って、笑ってたの。違ったわ。
*「マッドマックス 怒りのデスロード」
 これは、実は、公開初日に観た。シャーリーズ・セロン最高。「33年後のなんとなくクリスタル」を読んで、30年後のマッドマックスを観る。ああ、お前は何をしてきたのだと、吹き来る風が私に言う。
 オーストラリアの平原を‘セマイ’っていうのかな、トレーラーみたいなでかいトラックでズーッと走ってくじゃないですか。で、雨が降ってきて、タイヤが泥濘にとられたりするでしょう。あの感じが、リアルに旅の感じなんですよ。自分の2002年の旅でいうと、ハバロフスクからヤクーツクまでの道中は、ほんとに自分のバイク以外は来る日も来る日も、ほぼトラックで、同じトラックを抜いたり、抜かれたり。それで、連中も河原に下りてキャンプしたり。ヤクーツクの町はそんなに強い印象はないけど、そこまでの道は今でも頭に残ってる気がする。
*「アリスのままで
 ジュリアン・ムーアアカデミー賞を獲得した。たぶん、原作がよいのだと思う。原作のファンが観に行ってヒットしたって事って、ままあるじゃないですか。でも、この同じモチーフの映画、「ペコロスの母に会いに行く」、「愛・アムール」に比べると、家族の描かれ方が通り一遍な感じ。ホントは家族の映画のはずだと思うけど、とくに、家族性のアルツハイマーなわけだから。
 ちなみに、アルツハイマーは、肉食動物にしか発症しない。アルツハイマーの草食動物はいない。この研究の第一人者、ルドルフ・タンジてふ人のインタビューがNEWTONに出てたけど、やっば、ベジタリアンだそうです。しかも、トランス脂肪酸3を摂取するため、毎日、亜麻仁油を摂り、アミロイド対策に、ペルーの「キャッツクロー」てふハーブ、インドのアシュワガンダてふハーブを常食しているそうだ。みのもんたが辞めてから、こういう話題聞かなくなったね。
*「ポール・マッカートニー&ウイングス ロックショウ」
 「野火」を観に行こうと思って、moviewalker見てたら、丸の内ピカデリーで、ポール・マッカートニー&ウイングスのライブ映画が。とりあえず、こっちが先だなと思って。
 1976年のこのアメリカツアーは、3枚組のLPになってたの憶えてるな。「The Long And Winding Road」を、ビートルズ時代も含めて、初めてライブでやった。まだまだビートルズの余韻が強い頃だから、観客は「ギャー!」って、誇張でもなんでもなく、ホントにそんな感じ。「Yesterday」のときも。
 当時は裏の事情が分かってなかったから、ビートルズの解散について、ポール・マッカートニーの決断にわだかまりがあった。あ、当時っていっても、リアルタイムの当時じゃないです。私が聞いてた当時。でも、ブライアン・エプスタインの死が結局大きいんだっつう、地味な結論になりますね。
 特に、アラン・クレインていう、今では「詐欺師」以外の評価はされないと思うんだけど、一時期、ローリングストーンズのマネジメントをしてたアメリカ人が、ジョン・レノンには「隣の芝生」に見えていたらしい。
 ブライアン・エプスタインていう、リバプールのレコード屋の店主が、ビートルズにとって大事だったって話が、リアルに感じられる。時代なのかも。
 映画のオープニングに、今のポール・マッカートニーが当時を述懐するんだけど、ウイングスを始めた頃は、リンダのことを「あんなおばさん入れてどうするんだ?とか言われたけど、ビートルズの経験があったから、ゼロから作っていくっていう・・・」
てことは、ビートルズを辞めた時、ゼロから始めるつもりだったんだ。すごいね。
http://youtu.be/pEil2e_bUvg