根津美術館の庭、ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展

knockeye2015-11-30

 「氷の花火 山口小夜子」を観たシアター・イメージ・フォーラムは、渋谷と言いながらも、青山学院大のすぐそばで、表参道と渋谷のやや渋谷寄りといった辺り。なので、このあと、久しぶりに根津美術館に向かった。
 展示は、物語にまつわる屏風絵などだったが、正直、この時期は庭が目当て。この週末は、気持ちのよい天気で、今朝は、窓のブラインドを開けると、サンキャッチャーが部屋中に虹の粒を振りまいた。紅葉が進んでるんじゃないかなというのは、ヤマカンだったけれど、あたりだった。

 しかも、いつもは入れない、お茶席の中庭も特別に開放されていた。

 月替わりのお茶の展示は、「炉開きの茶」。お茶の世界の11月は、炉開きと口切りという、大事な行事がある。
 ここのところ、10月31日のハロウィンが盛り上がるのはいいとして、それが終わったら、もうクリスマスの飾り付けが始まる。これでは、11月の立場がないんじゃないかということで、ちょっと物議を醸していたが、そう言われて11月の行事を考えてみると、七五三、酉の市、報恩講と、日本らしい行事が多いなぁと思っていたのに加えて、炉開きも11月なのだった。冬に向けて、身じまいをととのえるひと月ということなのだろう。

 ところで、根津美術館と言えば、尾形光琳の《燕子花図屏風》だが、その複製をミュージアムショップで見ていて、先日、汐留ミュージアムで観た、クロワゾニズムの絵を思い出した。

 ポール・セリュジエ《呪文或いは聖なる森》の、この樹木のリズムが、画面空間にもたらす効果を、光琳の《燕子花図屏風》と見比べると、ゴーギャンジャポニズムから何を学んだかがよくわかる。汐留ミュージアムの「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展」は、12月20日まで開かれている。あれも観ておいて損はない展覧会だと思う。