テレビは本格的に終わったらしい

knockeye2015-12-13

 11月13日のテロについて、週刊文春の「私の読書日記」に、鹿島茂が書いていた文章が面白く、まるごと保存しているのだけれど、その内容とは別に、あのテロが起こった時、日本時間で、11月14日の早朝、鹿島茂は東京にいて、すぐテレビをつけたそうなんだけど、結局、土日を通して、特別番組は、一つもなかったんだそうだ。
 鹿島茂は「これではテレビ離れが進むのも無理はない。」と書いている。
 わたくしテレビを見ないので「そんなもんかなぁ」くらいの事だったんだけど、文藝春秋の1月号の坪内祐三の「人声天語」を読んでたら、あのテロの日、坪内祐三は大阪にいて、第一報は「ウェークアップ!ぷらす」で知ったそうだ。パリの映像に切り替わったそうだから、鹿島茂の証言と微妙にくいちがうけど、5時にテレビを見始めた鹿島茂は、「ウェークアップ!ぷらす」の始まる8時には、もうテレビの前を離れていたかもしれない。
 でも、大阪でも、テレビ朝日は「旅サラダ 鉄道ファン福澤朗秘境駅巡り!他」、TBSが「松本伊代早見優が最新血液ドック&うつ病検診へ他」、フジは「にじいろ 時代劇俳優下町最新スイーツ巡り他」、NHK総合は「週刊ニュース深読み」をやってたんだが、通常放送だったそうだ。
 坪内祐三は「本当にポスト・モダンだと思って怖ろしくなって来た。」と書いている。
 テレビが現実感を失って、白々しいものになっているのは確かなんでしょうね。わたしは見ないけど。