村上隆のスーパーフラットコレクション

knockeye2016-02-01

 横浜美術館で、村上隆の個人コレクションが公開されている。私が出かけた日には、本人の講演もあった。知ってたら応募してもよかったのだけれど、すでに定員いっぱいだそうで聞けなかった。
 「蕭白魯山人からキーファーまで」という副題があるが、かなりのボリュームで見ごたえがある。誰かのコレクションを観るってのは、美術館の王道でもあるわけで、苦し紛れのキュレーション(っていう場合がたまにあると思うが)より雑然とした楽しみがある。
 蕭白奈良美智白隠があるのは意外ではなく、中村一美があるのも納得だが、荒木経惟とかはおやっと思う。それから魯山人旧蔵のものが多いのについては、魯山人のコレクションが散逸し始めているのだろうと考えるとなにか寂しい気がした。でも、当然なんだろう。誰かから誰かの手に渡っていくものなんだし。
 それから、古道具というべきものも多く、イギリスのスリップウエアとかズラッと揃っているところなど、「日本民藝館か?」と突っ込みたくなる。織部黒、黒織部、熊川(こもがい)、朝鮮陶磁に加えて、川喜田半泥子の茶碗もあった。そして、後半の現代美術の展示を観ていると、なんかワタリウム美術館みたいだし、日本民藝館からワタリウムまでという感じかな。
 とくに図録とか出さない代わりには、写真撮影も、個々の作品のコピーみたいにならないかぎり大丈夫だそうです。