「さざなみ」

 週刊SPA!峰なゆかが連載中の「アラサーちゃん」つう漫画で、主人公のアラサーちゃんが、「新しく好きな人ができると、今まで好きだった人が急に気持ち悪く感じることあるよね。」「わかるー。元カレとか見ると、なんで今まであんなのと喜んでセックスしてたんだろうって思う。」って言う会話してんだけど、オトコにはこういうタイプはまずいないか、いても少数派だとおもう。
 オトコの時間は積み重なっていて、元カノを懐かしがったとしても、今カノに、ましてや長年連れ添った嫁さんに、不満とかなんとか、そういう話じゃないわけよ。
 だけど、オンナの時間は積み重ならないのかな?。その辺がオトコにはよくわからんのだが、過去は全否定なのかな。
 これについて考えてると、いつも思い出すのは、いつかテレビで見た、雄ライオンのケンカ。ビートたけしが司会してたと思う。
 嫁さんライオンと子どもライオンを連れた旦那ライオンが、独身の雄ライオンとケンカしたとします。ダンナの方が勝ったらそれはめでたしめでたしですわな。でも、ダンナの方が負けたらどうなると思います。独身ライオンが嫁さんライオンを手に入れるわけです。
 その時、子どもライオンはどうなると思います?。今カレライオンが嚙み殺しちゃう。元カレライオンの子供を育てるわけないわな。
 ショックだったのは、母親ライオンは、子どもライオンが殺されるのを見届けてから、今彼ライオンとセックスするんです。元カレの子どもライオンが殺されると発情するようになっているらしいです。オンナってそうじゃない?。峰なゆかさん!。
 それはともかく、オンナはオトコのわからないところで、全否定する。で、いったんキライになったらもう取り返しがつかない。長年連れ添ったとか、そういうことは関係ないわけよ。
 しかし、今回のダンナはちょっと鈍感すぎるけどね。ヒッピームーヴメントの生き残りで、同僚が「サッチャーも悪くないんじゃない?」と言おうものなら、ファシストと罵倒する。原理主義的でラディカルなので、オトコとオンナは違うなんて話は、ハナから頭にない。フリーセックスの時代を生きてきたんだから。
 そういう映画です。
 って、どういう映画だよ?。
 まあ、実際に起こる事件は些細なことなんで、二、三行で書けちゃうのですが、ダンナが今の嫁さんと知り合う前、大昔に付き合ってた彼女の遺体が見つかる。ヒッピーで放浪してた頃の彼女で山で遭難したんです。氷の中に閉じ込められてたんで、若い頃のままの姿を保ってるらしい。そういう通知が現地の役所から届く。オトコは「どうしようかなぁ、確認に赴くべきかな」と悩む。オトコは大病で九死に一生を得たばかり。new lease of lifeという時期ですな。そういう時に、昔の彼女の遺体が見つかった。それゃ、無理をしても行くべきかなって悩むでしょ?。
 でも、オンナはそれを理解してあげられない。氷の中に閉じ込められていた若いオンナ。そのイメージが全て。しかも、妊娠してた。たったひとつのイメージがオンナの世界を変えるのかもしれない。それは理解できない。