新百合ケ丘のアルテリオ映像館で、「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王 ジェームス・ブラウン」を観てきました。
ミック・ジャガーがプロデュースしたジェームス・ブラウンのドキュメンタリー。ミック・ジャガーだから可能だったんじゃないかと思います。
それはたとえば、ミック・ジャガー自身が語ってるんだけど、
1964年の「タミー・ショー」というテレビ番組で、ローリング・ストーンズとジェームス・ブラウンが共演した時のこと、ジェームス・ブラウンは、出演の順序にこだわった。それで、親しかったミック・ジャガーは局側から説得するように頼まれたらしい。「録画だし、どうせ、あとから編集するんだし・・・」。
それで、いったん引き下がったJBだけど、その代わり、トリがビビるくらいのパフォーマンスをやってのけた。そのフルパフォーマンスが観られます。
で、その時のトリっつうのがローリング・ストーンズ。そのパフォーマンスも観られます。ミック・ジャガーも回想しながら苦笑い。
ジェームス・ブラウンのスゴさもわかるし、ミック・ジャガーもカッコいい。
泣きそうになったのは、マーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺された直後の、ボストンでの公演。各地で暴動が起きてて、実際、その公演の途中で、一部の観客がステージの上に上がってきてしまう。ひとりやふたりじゃない。
そのときのJBはすごかった。舞台袖に控えていた警官が飛び出してきて、排除しようとするんだけど、それをとどめて、言葉で説得して、ステージを続けた。微動だにさえしなかった。王者の振る舞いというのがあるなら、あれがまさにそうでしょうね。
JBも、モハメド・アリも、もちろん、キング牧師もそうだけど、言葉を持っている人がリーダーになりえる。あたりまえですけど。
本当の意図は隠しておいて、後からなし崩しにしようとか、そういうことを良しとする心根は卑しいと思いますけど。