日本が北朝鮮と国交を結ぶべき理由とその実現可能性について

knockeye2017-01-06

 これは前から言ってるけど、日本は、6カ国協議を抜け駆けして、北朝鮮と和解した方がよい。
 「いいも悪いも、できるか、そんなこと」と言われても困るので、まず、実現の可能性から言っておくと、日本は、6カ国協議の他の国々、アメリカ、ロシア、中国、韓国と違って、かつて、北朝鮮を植民地支配していた。ので、植民地支配の賠償という名目で北朝鮮に「事実上」歩み寄っても、第二次大戦の戦勝国である、米露中は表立った文句は言えない。もちろん、韓国がこれに何か言えるはずもない。
 加えて、日本と北朝鮮の間には、拉致問題という個別の問題がある。これもまた「人権問題」なので、これについて、6カ国協議とは別に接触したとしても、21世紀の大国ぶってる国々としては、口を挟みにくい。
 北朝鮮の側としても「援助」の名目では受け取りにくいものを、「植民地支配の賠償」なら「勝ち取った」と国内外に宣伝できる。
 中国と韓国が経済的な結びつきを深めている今、北朝鮮はもちろん孤立している。日本が手を差し伸べれば、国益にかなうのはわかりやすい。
 では、日本にはどんな利益があるのかと言えば、まず、北朝鮮の核の脅威を取り除くことができる。さらには、北朝鮮と連携して韓国を牽制することができる。端的に言えば、北朝鮮の核というカードを手に入れることができる。一方では、韓国が北朝鮮の核を手にするのを阻止することができる。
 北朝鮮の核は、安全保障上、米国にとっても利益になる。米国は、東アジアに核を配備できない。それは、他ではない、非核三原則がある日本に核を配備できないからである。しかし、日本が北朝鮮と和解すれば、米国には、北朝鮮の核を、日本を介してコントロールできる可能性が出てくる。
 しかし、それを、韓国を介して実現されてしまった場合、一転、日本が孤立することに気がつくべきである。
 東アジアの地図をよく眺めてみれば、北朝鮮はその中心に位置している。米軍が、ここに、裏口からでも、いやむしろ、裏口からこそ、影響を及ぼすことができるのは、悪い話ではないはずだろう。
 現実的になろうよ。六カ国協議って、米露中の意見が一致する日なんて100年経っても来やしないわ。
 「植民地支配の賠償」の中身だが、ただ、金を出すだけでは意味がない。し、日本の今の財政では、事実上できない。ので、民間の協力で、北朝鮮に投資することになるだろう。言い換えれば、北朝鮮の安い労働力を、日本の企業が使って、北朝鮮の経済発展に寄与する。あるいは、北朝鮮のインフラ整備を日本企業が総合的にプロデュースする。
 比喩的に言えば、日本が北朝鮮を「経済的に」植民地支配する。第二次大戦中、アホな軍部は、「文化的な」植民地支配をしようとしたが、自分たちの頭の悪さを晒しただけだった。経済的な支配は、日本も北朝鮮も、利益を得る。そうでなければ、支配とは言えない。双方が利益があるから、関係を断てなくなるのだ。
 ちゃんとした植民地経営(事実上の)をすれば、植民地も何も文句を言わない。日本がアメリカに文句を言わないのと同じだ。原爆を落とされたのにもかかわらず、文句も言わないのだ。
 韓国と北朝鮮の経済格差は大きいが、この両国に質的な違いがあったわけではない。北朝鮮にはもちろん経済発展の可能性がある。アジアの他の国と同じ水準まで経済レベルが上がればよいのであって、それが不可能であるはずがない。日本は、「植民地支配の賠償」を名目に、その経済発展の上澄みを独占的に搾取することができる。
 あえていうと、そうでもしなければ、日本の今の財政状況を改善するのは難しい。北朝鮮に対する「植民地支配の賠償」は、アベノミクスの第三の矢にふさわしい。
 以上、述べてきた理由で、経済的な見地からも、安全保障上の観点からも、日本は北朝鮮と和解するべきである。し、政治的な状況も、その実現が十分に可能な状況にある。むしろ、米韓のトップが変化しつつある今が、行動を起こすのに最適だと思われる。というより、今をおいては、チャンスを逃すおそれがある。迅速な行動を願う。