「哭声」、「お嬢さん」

knockeye2017-03-13

 どういうわけか韓国映画の一日。しかも、「コクソン」は156分、「お嬢さん」は145分。
 「コクソン」は、エクソシストみたいでもあり、ゾンビっぽくもあり、鈴木清順みたいでもあり、黒沢清みたいでもあった。
 私が知らないせいもあるかも知らないけど、韓国の田舎の普通のおまわりさんが主人公なのがリアルだったし、細部の作りこみっていうか、こだわりがいきわたっていて、客の気をそらさない。たとえば、國村準のもっているカメラひとつとっても、あのカメラだから怖いってことはあると思う。
 このブログもあんまし何でもかんでも書くのもどうかと思って書かなかったけど、少し前に「セル」っていう、スティーヴン・キング原作・脚本の映画を観た。期待値が高すぎたせいか、たしかに手慣れたものだとは思ったけど、乗り切れなかった。スティーブン・キングジョン・キューザックサミュエル・L・ジャクソンってなると、彼ら自身の存在がハードルをあげちゃう難しさはあるにしても、ちょっと時代とずれがある感じがした。
 携帯電話(セル)を題材にした時点で、意図したかどうかにかかわらず、せこい風刺に見えて、しらける感じだった。
 その意味では、「コクソン」は、全体としてはわけわかんないけど、細部に異常にこだわるという、ホラーとしてあらまほしい変態ぶりだった。
 「お嬢さん」の方は、ポルノですな。日本でも最近、ロマンポルノのリブートとかやってましたけど、ポルノにもためらわず予算をかければ、それなりのものになりますってことなのかもしれないです。
 それにしても、どちらの映画もフツーに日本語が飛び交ってる。そんなことでわめきちらすって時代じゃなくなったってことは、とりあえず良いことじゃないかと思う。