ポール・バーホーベン監督、イザベル・ユペール主演。
ただのエロサスペンスじゃない。内田春菊のレビューが「スカッとします、この映画」ってあったけど、女目線だとそういう見方もできるかも。一方、ニューズウイークの映画評は、名前からすると女性だと思うんだけど、「あらゆる登場人物の行動に『え?』と当惑した」と書いている。
冒頭、いきなりレイプなんだ。タイトルが消えるか消えないかで。その後が、この映画。レイプされた後、レイプ犯がわかった後、浮気がバレた後。登場する女性たちは、みんなその後を生きている。起きたこと自体は、案外あっさり受け入れている。ダンナが殺されても、しょうがないやって感じで。
一方の男たちは、衝動に突き動かされて生きてるけど、その後の結果については、「え?、何でこうなっんだろう?」みたいに、何が起こってるのか理解できてない感じなのが、おもしろかった。
男たちはほぼ全員どうしようもない奴ばっかり。で、その後始末を女たちが、なかなかスマートに片付けてゆく。西部劇の舞台を現代のフランスにして、拳銃をペニスに置き換えると、こんな感じじゃないだろうか。フェミニスティック・ハードボイルドって感じかな。最後に立ち去っていく後ろ姿なんて、西部劇へのオマージュかもね。
先週、「ベイビー・ドライバー」か、これか迷って、上映時間の都合で「ベイビー・ドライバー」にしたけど、こっちの方が一枚上だったな。あっちも、B級カーアクションのパロディではあるんだけど、ひねり方が、こっちの方が上手。