杉田水脈はどう恥ずかしいか?

 杉田水脈って自民党の議員がバカなことを言って話題になっているが、これについての議論に加わるつもりがないだけでなく、こんな議論が、行われていること自体が恥ずかしく、できればなるべく人目に触れないうちに処理したほうがいいと思う。
 正しいとか間違いとか、それ以前に、議論として古くさい。ババアかよ!。まだそんなレベルの議論をしなきゃならない国なの?って思われるのが恥ずかしい。
 ネアンデルタール人のゲノム解読を成し遂げたスヴァンテ・ペーボは、スウェーデン人だが、ドイツのマックス・プランク協会が人類学の研究機関を新設しようとした時、その創設者として招かれた。
 が、その前にまず、そもそもマックス・プランク協会が人類学の研究機関を設けるべきかについて、それを検討する委員会が設けられた。なぜなら、マックス・プランク協会の前身カイザー・ヴィルヘルム協会は、ナチスヒトラー政権下で、優生思想に基づく人種差別的な科学に積極的に関与し、アウシュビッツで人体実験を行った過去があったからで、「人類学」は、マックス・プランク協会にとってずっと忌避されてきた。
 スヴァンテ・ペーボは、

歴史を忘れるべきではないし、そこから学ばなければならないが、同時に、前に進むことを恐れてはならない。その死から50年たってもなお、ヒトラーにできることとできないことを決めさせてはならない、とさえ言ったように思う。しかしまた、人類学のための新たな研究所が、人類の歴史を哲学的に思索する場所であってはならないということも強調した。そこはもっぱら科学をなす場であるべきなのだ。そこで働く科学者は、人類の歴史にまつわる純然たる事実のみを集め、それらによって自らの思考を検証しなければならない。

と主張した。世界で行われている議論とはこういうレベルのものである。
 これに比べて、この杉田水脈ってのは、何を言っているのか?。こんな優生思想そのものの持ち主が国会議員でまかり通るのが恥ずかしくてしょうがない。
 7月26日は、2年前に、津久井やまゆり園で戦後最悪の殺人事件が凶行された日なのだけれど、よくそれに合わせたように、そんな発言ができる、政治家としてのセンスに驚く。
 杉田水脈の発言は、津久井やまゆり園の入所者を次々と刺し殺していった犯人とほとんど同じだが、この犯人の方は、親にも愛想をつかされた麻薬常習者なのに、それと、国会議員が意気投合するっだけでも驚きなのに、自民党内には、これを「応援してくださってる先輩議員」もいらっしゃるとか。
 ああぁ、やっぱり書きたくないわ、この記事、これ以上。