五山の送り火

 今年は盆休みの日程の具合が良くて、五山の送り火の日に関西にいたので、こんなことは滅多になかろうとカメラを持って出かけた。
 先に京都国立博物館に立ち寄った。先に書いた通り、ここは東京国立博物館と違い、撮影不可なので紹介できないが、昔の建物が改装中で入れないのも残念だった。昔は、国宝級の展示物が所狭しとおいてある印象だった。国宝のドン・キホーテというか。
 ロラン・バルトの『表徴の帝国』のちくま学芸文庫の表紙に使われている宝誌和尚像もそんな中で観た。そういえば、蘆雪も蕭白若冲もここで初めて観たのだった。
 京都国立博物館を訪ねるひとが見落としがちなのは、お茶室「堪庵」とその庭。

 今回はサルスベリの花がおおかた散っていたのが残念だった。しかし、あのサルスベリも昔訪ねた頃に比べて随分と大木になり、すこしバランスが悪くなっている。いちいち時の流れを感じさせられる。
 送り火は、広沢の池に鳥居を観に行くことにした。大文字から順番に、午後8時から五分おきに点火していくので、一番端の鳥居は、8時20分になるのだけれど、広沢の池あたりは、三条大橋とか渡月橋とかに比べれば、少しは人混みが少ないのではないかと思った。
 それに、広沢の池は、同時に灯籠流しも行われるので、フォトジェニックかなと思ったし。
 あいにくの天気の予報だったし、現に通り雨が何度かザッと通り過ぎたんだけど、意外にも、夕焼けなども見られ、

灯籠流しも良かったのだけれど

やっぱ、8時20分ってのは、

こうなりますか。
 もちろん、露光時間を長くすればいいんですが、三脚を持たない主義なので。せめて、

こんな感じとか、

こんな感じとか、

ここまでいくと「ネオンかよ!」ってなっちゃいますがね。
 五山の送り火だけ、サマータイム導入ってなら、大いに賛成ですね。
 それと、風向きが悪かったのか、点火より1時間くらい早く始まった灯籠流しの灯篭が、全部あっちの方に流れてしまって、点火の時にはなんだかわからなくなってしまいました。で、移動しつつ撮りました。