韓国との断交を現実的に考えてみる

 レーダー照射問題が(レーダーだったっけ?、レーザー?)収まる気配がない、どころかますますヒートアップしている。そりゃ、謝るどころか、「無礼だ」とか言って逆ギレしたんだから、収まるはずがない。
 最新の週刊文春の連載で飯島勲が「断交もありうる」みたいな発言もしている。飯島勲は内閣参与だから、政権内の空気が伝わる。
 この問題についても、もちろん私は一庶民にすぎないのだから、何が真実かはわからないが、しかし、さすがにこれが、安倍政権の陰謀だという説には無理があると思う。なぜならこういう事態になって、安倍政権としてプラスになることは何もないからである。それに、もし安倍政権が、韓国との関係を悪化させる機会をうかがっていたと仮定しても、今回の事件を日本の側から仕掛けるのは不可能だろう。酒場のケンカにたとえるなら、最初にふっかけたのは韓国で間違いないだろう。
 韓国と国交断絶するなら、それはそれでいいと思うが、冷静に考えて、そのためには、北朝鮮、中国、ロシア、アメリカとの関係を変えなければならない。
 ます、韓国と北朝鮮を同時に敵に回すわけにはいかない。日本海制海権を失うことになりかねないからだ。個人的には、前々から言ってるけど、もう韓国と友好関係を築くより、北朝鮮民主化と国際社会への復帰に協力する方が、日本にとっても、国際社会にとっても、建設的ではないだろうか。
 もし、韓国と北朝鮮を同時に敵に回せば、日本海を挟んで、反日の核保有国が誕生することになるのだけれど。
 それと、もうひとつ言っておくと、いったいいつまでロシアとあんな小さな島を巡って揉めてるつもりなのか?。ラブロフ外相が北方領土を巡って、攻勢に出ているけれど、それは当然なのだ。彼らはテクノクラートなので、プーチンがどういう意向であろうとも、自分が外相であるときに領土を失いたくないのだ。
 で、日本としては建前はともかく、ホンネの部分はきちんと伝えておかなくてはならない。日本としては、北方領土なんてどうでもよい。ともかく、日本海を挟んで向こう側全部を敵に回すわけにいかない。日本としては、日ソ不可侵条約の一方的な破棄に対する謝罪と、旧島民に対する保障さえ納得がいけば国民を説得できる。
 本音を言えば、日ロともに国交を回復させたくてしかたないのだが、お互いの国民をどう納得させられるかが問題だというだけだろう。そのためには、過去の経緯をほじくり返すよりも、国交回復した未来にどういう希望と発展がもたらされるかをお互いの国民に目に見える形で示す方がはるかに利口だと思うがどうだろうか。
 私としては、シベリア鉄道のリニア化を日ロ共同で開発することを提案したい。ヴァニノ〜サハリン間にはすでに鉄道フェリーがあるので、それを択捉、国後、そして北海道まで延長すれば、日本からEUまで鉄道でつながる。ちなみに、ウラジオストックからモスクワまでなら、現行の新幹線のフルスピード、ノンストップで1日半くらいだと思う。伏木からウラジオストックの船便が同じくらいだから、これに意味があるかどうかなんだけど、北方領土云々に拘泥してお互い国民感情を悪化させるより、はるかに未来志向ではないだろうか。
 韓国には日本に対するコンプレックスがあり、それは、日本側からは手出しのしようがない。北朝鮮にはそれがない。なぜなら、彼らはアメリカと敵対しているからだ。今後、中国のプレゼンスが増し、アメリカが相対的に後退してゆく力学の中では、日本は韓国と距離を置き、逆に北朝鮮と結んだほうがよい。前からずっと言ってるけど、今回のレーダー(レーザーじゃないよね?)照射問題でもう目が覚めたはずだ。もう遅いくらいだ。