ドゴールの影を追う文在寅

 韓国で1919年の抗日独立運動三・一運動」100年を記念する政府式典が開かれた。それにさきがけてハノイで開かれた米朝首脳会談がこれといった成果がなく終わったものの、この日程が意図的であったことは間違いないだろう。
 文大統領は「親日残滓を清算」を進めると強調したそうだ。
 しかし、「親日」も「反日」も、韓国は日本の属国だったのであって、親日反日の境目をどこにするか、恣意的にならざるえないと思うがどうだろうか。
 このロジックは、たぶん、フランスのドゴール大統領に習おうとしているのだと思う。韓国は、慰安婦をテーマにした漫画をフランスのアングレーム国際漫画祭で発表したこともあった。韓国の情報戦は国家プロジェクトであり、その周到と徹底ぶりは、日本政府も見習うべきだと思う。
 ドイツと戦いさえしなかったフランスがどういうわけで連合国の一員として、戦勝国のようにふるまえているのかといえば、ドゴールの臨時政府が、フランスの正式な政権と英米に認められたからであった。ほんとのことをいえばペタン元帥のヴィシー政権がフランスの正式な政権だったが、その辺、事情は、いろいろあって、イギリスとしては、フランスが約束を破って、ドイツと勝手に休戦したという思いがあり、フランスとしては、イギリスはろくに戦いもせず、ダンケルクから撤退したという思いもある。そうした、お互い不信感を募らせるなかで、イギリスは、フランス海軍がドイツに利用されるのをおそれて、メルセルケビールで、フランス海軍を攻撃し、海に沈めてしまった。ペタン元帥のヴィシー政権が正当なフランス政府だとなると、イギリスにとっては話がややこしくなる。その辺のことを踏まえて、ドゴールはうまく立ち回った。
 しかし、あれは、ノルマンディー上陸作戦の直後であって、戦後七十年たった今に、歴史が書き換えられるかどうか、たしかにわからない。が、今回は、米朝会談が空振りに終わったので回避できたものの、この先もそうとはかぎらない。アメリカに韓国系住民が多く、ロビー活動が活発だし、日本の経済力が落ち、韓国の経済力が上がっているので、可能かもしれないのである。
 こんどのレーダー照射事件をめぐる立ち回りのうまさを見ていると、そのうち、「韓国人は日本国内でレジスタンスを組織していた」みたいな歴史に変わっているかもしれない。
 それをかんがえると、日本会議とか在特会とか、アナクロな妄想に取りつかれた連中が、いかにバカか、いいかえれば、韓国政府にとって、いかに都合がいい「おいしい存在」か、わかりそうなものである。それが分からないなら、バカ呼ばわりされても仕方ないだろうし、バカ呼ばわりすべきなのである。
 もし、天皇陛下靖国神社に参拝したりしたら大変な国際問題になる。昭和天皇今上天皇も当然それが分かっている。だから、靖国参拝など絶対しない。それをさせようと画策している連中は亡国の輩である。
 靖国神社なんて、19世紀の帝国主義の体裁をととのえるために、薩長政権がでっちあげた政治的な産物に過ぎないので、21世紀にまで存続している必要はないし、百害あって一利もないのであれば、つぶせばいいだけなのだ。その辺の祠なんかは、マンション建設のためだけにでも平気でつぶすだろっての。んじゃ、いいじゃねえか、靖国も。
 天皇陛下が、東京国立博物館で開催中の顔真卿展にお越しになったそうだ。天皇陛下よりも外交センスが卓越している政治家は今の日本にはいないと思う。ご存命中の譲位を決められたのもみごとだった。日本会議の馬鹿どもが反対したけどね。