円山応挙とコートルード美術館展

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大石良雄図≫円山応挙

 東京芸術大学大学美術館では、いま「円山応挙から京都画壇へ」という展覧会が開かれている。

 円山応挙の展覧会でいえば、今でも思い出すのが、三井記念美術館が2010年に企画した大規模な回顧展で、所蔵の≪雪松図≫をはじめ、今回の大乗寺の≪松に孔雀図≫十六面、草堂寺の≪雪梅図≫、金剛寺の≪波濤図≫十二面、円光寺≪雨竹風竹図屏風≫静岡県立美術館≪竹雀図屏風≫根津美術館≪藤花図屏風≫東京国立博物館≪老梅図襖≫個人蔵の≪蘭亭曲水図襖・壁貼付≫九面、など名品が一堂に会した。

  円山応挙の展覧会としては、あの規模のものはしばらくは見られないだろうと思う。特に、≪雨竹風竹図屏風≫はすばらしかった。

 今回の展覧会は、応挙のものは大乗寺の襖絵が中心になっている。大乗寺は、兵庫県なので、若いころバイクで訪ねた。観光地としては、城崎温泉とパッケージになっているので、あちらにお出かけの方は訪ねてみられればよいと思う。

 今回の展覧会で個人的に興味深かったのは、竹内栖鳳、木島櫻谷などの明治以降の京都画壇のとくに、

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岸竹堂≪大津唐崎図屏風≫

  岸竹堂の明治九年のこの絵が響いた。このころは、日本画のマーケットが壊滅して、相当な絵師も生活に苦労していたと、狩野芳崖の展覧会で聞いたことがあった。なので、世が世ならば大家で悠々としていられるはずの力量の絵師たちが、必死で新しい絵に取り組んでいるのが伝わる。

 この唐崎の松の表現は、この先にも後にもちょっとない表現ではないかと思う。

 円山応挙の≪大石良雄図≫の「おかる」の美しさには驚いた。江戸の浮世絵の美人とはまた違う感じですね。

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喜多川歌麿 教訓 親の目鑑