「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」が発表された。
1位「火口のふたり」
2位「半世界」
3位「宮本から君へ」
4位「よこがお」
5位「蜜蜂と遠雷」
6位「さよならくちびる」
7位「ひとよ」
8位「愛がなんだ」
9位「嵐電」
10位「旅のおわり世界のはじまり」
読者選出日本映画ベスト・テン第1位「半世界」
こうしてみると確かに去年の日本映画は寂しかったな。これに比べてみると、『パラサイト』は圧倒的だわ。「火口のふたり」は、ちょっと上映館が少なすぎて観られなかった。「半世界」は、この中では一番好きだけれど、一昨年2018年の
『素敵なダイナマイトスキャンダル』
『万引き家族』
『パンク侍、斬られて候』
『菊とギロチン』
『カメラを止めるな』
『きみの鳥はうたえる』
『音量を上げろタコ!なに歌ってんだか全然わかんねえんだよ!!』
『枝葉のこと』
と比べて、断然抜きん出るかといえばそうではないと思う。
ちなみに2018年のキネマ旬報ベストテンはこちら。
2018年度キネマ旬報ベストテン - シネマ1987online
4位の「よこがお」は、小林信彦さんが絶賛してたけど、でもわたしは深田晃司監督作品では、前作の『淵に立つ』が絶品だと思う。
4位まではよいとして、5位でもう『蜜蜂と遠雷』って。あれは恩田陸の原作が台無し。その下10位までの作品は、「愛がなんだ」の岸井ゆきのが気になりつつ見なかったな。
「i 新聞記者ドキュメント」と「お嬢ちゃん」が21位に同点で入ってます。でも、「僕はイエス様が嫌い」は入ってないですね。
2019年度キネマ旬報ベストテン - シネマ1987online
ちなみに『1917』観ました。ワンカットで撮られたような映像には、一長一短があるかも。アカデミー賞作品賞で、『パラサイト』が勝ったのも納得です。第一次大戦の塹壕を描いた映画としては、むしろ、ガル・ガドット の『ワンダーウーマン』の方が映画的かも。
ちなみに、第一次世界大戦の塹壕については、オットー・ディックスが実体験を描いた版画シリーズ《戦争》が町田の国際版画美術館で観られます。オットー・ディックスの大作《塹壕》は、「頽廃芸術」としてナチスに押収された後、今に至るまで行方がわかっていません。