映画館でマスク型チケットは?

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映画チケット 兼 マスク

 今週の週刊文春には、先日亡くなった坪内祐三の連載「文庫本を狙え」の特集記事があった。急な訃報に思ったものだったが、最近、やはりすこし体調の悪さを感じさせることがあったそうだった。
 福岡伸一は、新型コロナウィルスの大流行について、阿川佐和子と対談した二月なかばの時点では、「ここまでの社会的、経済的インパクトが地球規模で起こるとは予想できなかった」と不明を恥じていた。アメリカと日本を行き来している人なので、なおさらだろうと思う。
 アメリカでのコロナの死者の急増ぶりには確かに驚かされる。これは、国民皆保険がないために、病院に行かず、自宅で死んだ人の中に相当程度新コロナ由来の死者がいたのを把握できなかったらしい。
 で、その死者に接する、警察関係者、医療関係者、もちろん家族も、新コロナに無防備な状態で接触していたわけで、あれよあれよとエピデミックに見舞われたのはそのせいでもあるらしい。
 しかし、おそろしいのは、むしろ、新コロナウィルスが投げかける不安であるということには同意せざるえない。日本での新コロナウィルスによる死者数は、現時点で227人なのだけれど、これがいつ大爆発するのかと、おびえて縮こまっている、その期間が、これから一二年つづくのだとしたらつらすぎる。
 伊集院光のラジオに、さまぁ~ずの大竹さんがゲストに来ていて、この1週間の仕事はこれだけだと言っていた。霜降り明星オールナイトニッポンZEROでも、粗品は6連休だとか。今を時めく売れっ子の人たちがそうなのだから。
 世の中のリモートワークシフトが当座のことにとどまりそうにないとなって、誰もが途方に暮れつつ、身構えているのが伝わってくる。
 星野源が「うちで踊ろう」をインスタにアップして、オールナイトニッポンを自宅からの放送に切り替えているし、おぎやはぎのめがねびいきでも、小木さんはスタジオ、矢作さんは自宅から、というスタイルを試していた。
 音声だけのラジオはそのあたり柔軟にできる。山下達郎のサンデーソングブックなんか、生ではないこともあるけれども、そこは山下達郎なので、ほとんどスタジオと変わらないクオリティー在宅ワークしていたし、「桑田佳祐やさしい夜遊び」も自宅から放送していた。
 こうなると、スタジオとか映画館とかいうトポスに意味がなくなる。オードリーのオールナイトニッポンでは、ZOOMで家飲みの話題になっていて、気を使ったり、絡まれたり、ぽったくられたりの心配がなくかえって快適なのだそうだ。それ聞いて青ざめているのは、飲ませるお店の方たちだろう。時代はもう戻らないのかもしれない。
 映画館や美術館も、単に休館ということではなく、積極的にこの事態を受け入れて、座席をふたつとばしくらいにして、あいだにアクリル板をいれるとか、空気清浄機をガンガン利かすとか、マスクの着用を義務付ける、というより、マスクに座席番号を印字してチケットにするとか、そういうスタイルに変えて、再開する方向に、方針転換したほうがよいと思う。収まるのを待ってたら干上がってしまうよ、きっと。 
 来年の東京オリンピックも、パンデミック下でどう開催するかの研究を始めるべきだね。水泳とか、陸上競技とかは、リモートで競技できますし、それはそれで有意義かも。