『初恋』

 この新コロナウィルスの自粛要請のために、いちばんあおりを受けた映画は、三池崇史監督の『初恋』だったのではないか。わたしが観に行ったのは映画館が自主休館する寸前だった。
 主演は、窪田正孝ベッキー染谷将太の怪演でも話題になった。三池崇史作品は『ヤッターマン』が大好きで、あのハチャメチャぶりを愛好してきた。まあ、ハチャメチャぶりっていうのは失礼な言い方で、演出の引き出しが極端に多彩で、自由自在であると評するのが正しい。
 『ヤッターマン』のときも一部アニメーションが使われていたが、あれは『ヤッターマン』だから効果的だったけど、今回の使い方は、「日本映画、お金がないんだなぁ」という悲哀を感じさせた。あのカースタントは実写にしてほしかった。『鎌田行進曲』の階段落ちをアニメにしたらしらけるでしょ。言われるまでもないだろうけど、先立つものがないんだろう。あのカースタントだけは、韓国映画の『エクストリーム・ジョブ』とくらべると悲しくなってしまう。
 ここに、一部アニメにした理由について、三池崇史自身が語っている映像があった。


三池崇史監督、『初恋』一部をアニメーションにした理由は?日本の“スタントマン”事情が一因⁉︎ 映画『初恋』外国特派員記者会見

 でも、気になったのはそこくらい。窪田正孝はかっこいい。染谷将太はバカバカしい(いい意味で)。染谷将太は、そういえば、石井岳龍の『パンク侍、斬られて候』のときも面白かった。あの時とおんなじくらい、今回も来てます。
 しかし、残念だな。これからバーンといきそうなところで、映画館が軒並み休館してしまったので、どうしようもないです。上映再開になったら是非お勧めです。


窪田正孝「マジかよ…」三池崇史監督のラブストーリー映画「初恋」予告編が公開

 それまでは、『ヤッターマン』か『パンク侍、斬られて候』を振り返り往時をなつかしむのもありかも。オススメです。


2009 3 7 公開:映画「ヤッターマン」公式サイト


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