2020年7月11日に千葉市美術館がリニューアルオープンした。今までは、千葉市の中央区役所の建物を間借りしていたんだけど、その建物自体が、昔の銀行の支店の跡地で
こんな感じのロビーが何にも使われずに放置されていてもったいない感じだった。
この外の部分にガラス張りのカフェが増設されていた。
でも、ホール自体は文化財としての制約があるのか、そんなに大胆な変更はしてないみたいだった。三菱1号館のCafe1894みたいに、ちょいと手を加えるとよくなる気がする。
千葉市美術館は1995年(阪神淡路大震災、オウム事件)オープンの比較的新しい美術館だったみたい。私のところからはちょっと遠いのだけれど、企画がよいのでわりとでかける。
前にも書いたけれど、曽我蕭白の≪虎渓三笑図≫はこの美術館の所蔵品。2012年の春の曽我蕭白展、2014年の川瀬巴水展、2015年夏のピーター・ドラッカー水墨画コレクション展、2016年末の浦上玉堂と春琴、秋琴展など心に残っている。
特に、浦上玉堂はすごかった。江戸時代の文化の高さみたいのを実際に目で確認できる展覧会だった。幕末のそのころは、むしろ長男の春琴の方が画家として知られていたらしい。浦上玉堂は、彼自身が自分を絵師だと思っていなかった。そういう何者でもない文人が幕末のそのころまで、全国津々浦々に存在していた。
いっぽうでは、小藩とはいえその大目付であったにもかかわらず、50歳のときに春琴、秋琴というまだ幼い息子をふたりつれて脱藩したについては、単なる玉堂の奇行とかたづけていいのかどうかわからない。
浦上玉堂の絵は、今見るとほぼ反社会的にさえ見える。しかし、今とは社会自体が違うわけだから、ここに提示されているメッセージの社会的な意味はすでにないといっていいはずである。そこに残っているなにかが時代を超えていまだに私たちを感動させる。
拡張されたおかげで常設展示ができて、そこの一部は撮影ができるようになっている。
山村耕花は、いつかまとめてみてみたい。
千葉美術館通りにある千葉劇場って映画館はけっこうおもしろい企画をやってる。「ハンナ・アーレント」はここで観た。
通りかかると、『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』と『デッド・ドント・ダイ』というセレーナ・ゴメスつながりの番組を組んでいた。次回は『パブリック 図書館の奇跡』をやるみたい。おもしろそう。