ライゾマティクス_マルティプレックス

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 東京都現代美術館に「ライゾマティクス_マルティプレックス」を観に行った。
 ほとんどの部屋で静止画の撮影可だったのだけれども、静止画で撮っても伝わらないと思うので。


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 最先端の映像技術がパフュームのダンスパフォーマンスに結実しているのが興味深い。鹿島茂によると「十九世紀が二十世紀に決定的に変わった直接的原因」は「結論から言ったらそれはロシア・バレエしかない」そうだ。ロシア・バレエというのはディアギレフの率いたバレエ・リュスのことだ。

「ディアギレフの公演を比類ないものにしていたのは、装置と衣装を視覚的劇場芸術に合わせ、統合する、その手法だった。(中略)ケスラーは、まったく新しいものを発見して衝撃を受けたのではなく、すでに存在していたものの可能性を思い知らされたのである」

という

の一節を以前にも引いた。
 NHK日曜美術館のインタビューでは、ライゾマティクスのメンバーは誰も自分のことをアーティストと考えていないそうだ。
 当時、ディアギレフが自分をどう考えていたかと考えると、20世紀と21世紀を決定的に変えたのはパフュームだと言いたくなるが、実のところ、それはわからない。
 ただ、バレエ・リュスがそうだったように、ライゾマティクスには「まったく新しいものを発見して衝撃を受けたのではなく、すでに存在していたものの可能性を思い知らされ」る。ライゾマティクスの技術、MIKIKOのコレオグラフィー、パフュームのパフォーマンス。今あるものを合わせるとこれができるという衝撃。それは1人のアーティストがもたらす衝撃とはちょっと違って、自分たちが生きている同時代を見せられる衝撃。ふつう人は過去しか見えない。それは当然で、だから、現在を見せられると未来を見たような衝撃を受ける。
 それがダンスを選ぶのは、ダンスが時間芸術であると同時に空間芸術でもあるからと、もう一つの理由は、人間の肉体を用いた有史以前からの芸術表現だからだろう。もっともプリミティブな表現だからこそ時代を見やすい。
 誰かひとりの芸術家の作品を観る衝撃は、時代を超えて自分と同じ人間に出会う衝撃。それとは逆に人々の違いを超えて同じ時代を生きている衝撃がここにある気がする。


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