『ウディ・アレン追放』

 今週の週刊文春に「小林信彦プレゼンツ これが日本の喜劇人だ!」について小林信彦が書いていた。上映期間が終わるまで控えていたのだろう。
 「「大冒険」(六五年)てのは、外国で「リオの男」を見てきた東宝の上の方の人の意見にのったものです。」
だそうだ。ほんとにジャン=ポール・ベルモンドが元ネタだったみたい。
 

 結局、『ウディ・アレン追放』を読んでみた。
 著者がせっかく公平な書き方に努めているので結論めいたことは書かないことにしたい。が、正義をかざしてくる人間が正義とは限らない、これもひとつの実例かと興味深かった。
 ツイッターの140文字さえ読まず、ネットニュースのヘッドラインだけで情報を処理してしまう時代に真実を伝えるのは難しい。「#Metoo」運動が、こんなヒステリックな個人攻撃に枝分かれしておわりという状況に、フェミニズムの側から何か反応があってもよさそうなものだと思うが。フェミニズムって学問というより運動なので風向きしだいなんだろう。
 Amazonの態度にもあきれた。ウディ・アレンはここでも法的に事実上勝っているわけだけれども、これでも個人は抹殺できるって時代だからこそトランプが大統領になれたわけなんだろう。
 炎上すれば便乗する、それがSNS時代の言論なのかと思うとあほらしくなる。