Amazon primeで『日本のいちばん長い日』原田眞人版を観た。
公開当時は三船敏郎が阿南惟幾を演じた1967年版と比較してあれこれ言われた記憶があるが、1967年版の決定的な欠点は、戦後22年を経たこの年でさえまだ昭和天皇を神格化していることだ。昭和天皇を登場人物として描かないとストーリーが成立しない。
原田眞人が脚本を書いたこれは、昭和天皇をきちんと登場させたことで阿南惟幾、鈴木貫太郎、なかんずく阿南惟幾の心理の流れがすごくよくわかる。
もうひとつは、今回見直してみて気がついたが、「聖断」というキーワードが出てきた。この映画は1967年版のリメイクというより『日本のいちばん長い日』の著者である半藤一利の2006年の著書
を踏まえたリライトと見ていい。
こちらの方が史実に近づいていると思う。
改めて思うと、これがまったく史実どおりと言っていいことには驚く。