初日に観る『シン・ウルトラマン』。
庵野秀明は『シン・エヴァンゲリオン』よりはるかに楽しんでる。たぶん、エヴァとウルトラマンとでは当然ながら庵野秀明のスタンスが違う。シンプルにウルトラマンのファンとして楽しんでいると見える。驚いたことに三木聡監督の『大怪獣のあとしまつ』のオマージュが入ってる(としか思えない)。岩松了と嶋田久作はほぼ同じ役柄で出ている(ちょっと閣内で移動してるだけ)。それに「怪獣の後始末」というセリフが無意識に紛れ込むとは思えない。けど、どうなのかなぁ?。
オズワルドのラジオ聞いてると、彼らの世代では「ウルトラマンって何?」ということらしい。だからそういう世代にどう受け取れるかわからないが、メフィラス星人とかゼットンとかゾフィーのエピソードの再解釈がすごく上手くできてた。
岡田斗司夫と一緒に大学生の頃に撮ったウルトラマンが庵野秀明の原点だそうだから、その頃から反芻してきたコンセプトなんだと思う。
山本耕史のメフィラス星人が秀逸。「新撰組!」の土方歳三から定着してきたキャラクターが上手く効いている。『大怪獣のあとしまつ』いじりと言い、そういう既成のイメージを使うシャレっけを庵野秀明が見せたのが意外。けっこう笑えるところも多い。つうか、全編笑おうと思えば笑える。
庵野秀明が「総監修」で、樋口真嗣はじめいろいろのサブタイトル付きの監督が複数いるのもサークルのノリで楽しい。
庵野秀明のカメラアングルはすごく独特だと思う。『ラブ&ポップ』と撮影監督が同じなのかなと思ったけど違う人なのでやっぱり庵野秀明監督の感覚なんだと思う。