『やがて海へと届く』ネタバレ

 昔は、観た映画、行った展覧会、備忘録のように書き留めていたが、最近は観たけど書き忘れるものも増えてきた。
 『すずめの戸締まり』を観て思い出したのは、浜辺美波岸井ゆきのの『やがて海へと届く』。6月に観たんだけれども、あれも東日本大震災を扱っていたので思い出した。
 浜辺美波岸井ゆきのが、はたから見たらどう考えても同性愛的なシンパシーを感じているのに、お互いに自分のセクシュアリティに確信が持てなくて、ズルズル時が過ぎていく。なんなら浜辺美波の方は結婚しちゃう。どうなるんだろうとワクワク、夏目漱石の『それから』みたいな展開になるかなぁとか思ってたら、津波で。
 いや、それは?、と思っちゃったすね。原作はどうなのか知らないけど、そこを津波で片づけるの、よくないよね。
 という意味は、この映画全体が冒頭10分でしかないじゃん。そこからじゃない?、物語は。若い頃に知り合って、同性愛的なシンパシーを感じていたのに、何も起こらず、十年が過ぎました、津波で片方が行方不明になりました、からの・・・じゃないですか?。そこで終わる?。
 そのあと、『寝ても覚めても』みたいな展開になってもいいし。『花様年華』みたいになってもいいし。いずれにせよ、そこから始まらなきゃ。そこで終わる?。
 津波がもたらした喪失が、2人のセクシュアリティ、言い換えれば2人の愛の物語をどう形作るかが、語るべき事だと思ったのですけど、津波で終わるもんなぁ。違うと思ったなぁ。


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