加藤泉 寄生するプラモデル

 加藤泉と泉太郎は現代美術の両泉と呼ばれている(知らんけど)。
 ワタリウム美術館は、いつ以来か調べてみたら、フィリップ・パレーノが最後みたい。氷がとけてるやつ。コロナ禍には訪ねなかったみたい。
 「寄生するプラモデル」は

「parasitic plastic models」

という言葉遊びになっている。
 加藤泉は、現代美術のコレクターとして知られる高橋龍太郎さんの「ネオテニー・ジャパン」で初めて見た。あの展覧会は今でも語り草になっていると思う。その後の展覧会に大きな影響を与えたように見える。
 あの時の面々の作品はその後も追いかけていて、加藤泉箱根彫刻の森美術館の展覧会も観たし、単体以外でもよく見かける。箱根彫刻の森美術館の時はご本人も来場してるときに出くわしたが、いいのかどうか分からないが作家本人に興味がないので通りすぎた。ジョン・レノンはミュージシャンのライブに興味がなくもっぱらレコードで聴くのを好んだそうだ。そりゃ、レコードのパフォーマンスがいちばん完成度が高いに決まっている。作家の表現は作品に最も生々しく表れている。そこにコミュニケーションがあると信じるからこそ作品を見たり作ったりするわけで、それを敢えて、作家本人という表現以前のただの他人、それは不快な隣人に過ぎないかもしれないone of themに後退して対面したい気持ちがよくわからない。ただ、その感覚が正しいかどうかよくわからない。

こういう作品にごたごた説明はいらない

 説明しないと成立しないアートは信じていないんだけど、感動を言葉にしたい衝動はもちろん信じているし、言葉もアートでありうるのももちろん信じている。

こういうのをごろっと見せられて

これが石ではなく石のプラモであると知らされるのは楽しい。

しかもこれが着色ではなくて

デカールとして付属するらしい。貼るのがむずかしそう。

これがそのプラモのパッケージ。

 「僕の仕事は絵画が中心だから、立体作品は絵画の視点から製作している」と書いてあったのには驚いた。彫刻家だと思っていた。

絵もいいですけどね。

 画家の自覚のあり方って面白いですね、岡本太郎の時そうだけど。

こういう立体作品があり
この絵はそのパッケージデザイン

ってイメージらしい。

 上の階に今回使用した

ビンテージプラモデル

のパッケージがたくさん展示されていた。

the visible woman

「創造の神秘」と書いてある。invisibleって透明人間の映画があったが、その対義語がこれだったとは。

 期間は長くて来年の3月までやってます。


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www.watarium.co.jp

 ちなみに、「don’t follow the wind」の作品が初めて一般公開されたとニュースになってました。

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