静嘉堂文庫美術館@丸の内

 入管法改悪反対デモに出たついでに、丸の内に移転して以来まだ訪ねていない、静嘉堂文庫美術館に足を運んだ。徒歩圏内だし。

静嘉堂文庫@丸の内
明治美術狂想曲

という展覧会が開催中です。「ホワイエだけ撮影可」だそうです。

渡辺省亭 濤川惣助 《七宝四季花卉図瓶》

 二年前に大回顧展があった渡辺省亭の絵を明治のふたりの「ナミカワ」のひとり濤川惣助が七宝に焼いた花瓶。

海野勝珉 《天燈鬼、鉄鉢鬼、龍燈鬼》
キャプション

 柴田是真の《変塗絵替丼蓋》十客が、相変わらず洒脱でした。「鎹」と題されたのなんかは、ホッチキスの針みたいな大きさの鎹が打ってあるようにしか見えない。だけどそれは漆なんです。

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【動画】特別展「明治美術狂想曲」静嘉堂@丸の内で6月4日まで – 美術展ナビ


 加納夏雄の小刀のうち特に《月にホトトギス》は、小柄の刀の腹の部分に月を象嵌している。「ええっ!」って思います。

 河鍋暁斎の絵は、今回も個人的にはザラっとしました。横山大観と同じ症状だと思います。手が目を追い越してる。
 今は、鎌倉から江戸までの巨匠と並べて比べられる時代なので、見劣りしますね。
 珍しいところでは、黒田清輝の腰巻き事件の当の裸婦画を見ることができます。静嘉堂文庫が持ってたんですね。有名なのに意外に見かけない。その意味では貴重かも。
 今見れば美術館でよく見かけるタイプの普通の裸婦画にすぎないんですが、面白いのは当時の警察がこの下半身だけを隠して展示させたことかなと。座している姿なので、Googleなら逆に乳首を隠せってなるところです。明治のこの頃は、多分、女性の乳房は日常的によく見られたのだろうと思います。
 逆にいうと今あたかも「乳首警察」みたくなってるGoogleのAIなんですけど、後年の評価として変なことになるんじゃないかなと思います。