2つともイギリスの映画。
特に、『ポライト・ソサエティ』の方はイギリスだと思わなかった。
イギリスだと思わないでしょ?。インドのアクションって、むくつけき男性が主人公なのが多いのに、女性が主役のアクションは珍しいなと、そんなふうに思って見に行ったのに、インドじゃなくイギリス映画だった衝撃。しかもこの彼女らはパキスタン系イギリス人で、インドのかけらもない。
見始めてからしばらくイギリス、しかも、ロンドンだと気が付かなかった(あれ?、今のビッグベンじゃなかった?)。
イギリスってすごいよな。前の首相はインド系だし、メーガン妃は半分アフリカ系だし、何だかんだ言っても、こういう国から民主主義って生まれるんだろうな。
映画はコメディなんだけど、それにしても混沌。本国では大ゴケしたらしい。それも無理もない、というのは、単に、敵役のキャラクターに説得力がなさすぎ。マザコン男のマザコンぶりが際立ってない。ので、そんな悪い人に見えない。母親のクローンを作るために強い子宮が必要(?)って論理が科学的でないだけでなく、フィクションとしても意味がわからん。いくらコメディでも『サユリ』くらいの説得力は欲しい。
でも、「ポライト・ソサエティ」(「上品な社会」って意味なのかな?)ってタイトルで、インドっぽい美女ふたりが鼻血垂らしつつアクションしてたら、その振り幅で見に行っちゃいます。なので、もうちょいプロットをちゃんとしてくれたらな。ビートルズの『HELP!』を見倣って欲しいわ。
『HOW TO HAVE SEX』もイギリス映画。
「ネオテニー」って日本社会を表現した高橋龍太郎は慧眼だと思う。日本人は子供のまま大人になる。つまり、社会に対して責任感のある大人がいない。この原因は分かりやすく、昭和の軍部が国家神道という捏造宗教のもとに、大和魂という妄想日本のために、今現に目の前にある日本、そして、何千年も前から足元にあり続けている日本をぐっちゃぐちゃにしてしまったので、「日本のために」とかいうやつがいると、唾を吐きかけたくなるのだ。
そういう背景があるので『侍タイムスリッパー』みたいに、ほんとうに「日本のため」と思ってた侍が現代に現れるとほんとうに感動してしまう。あの主人公が会津藩士なのは偶然じゃない。
そういうわけで、ネオテニー化現象がまだそこまでじゃなく、大人がちゃんと社会のために責任を持っている戦勝国の社会では、子どもがちゃんと青春できる。『HOW TO HAVE SEX』は、そういう国のティーンの女の子たちの映画。
これ見て胸が締め付けられるとか言ってる日本の女の感動は、また別の文脈。要するに、万国共通に、処女はブーたれるって話。
最初から、男に跨ったって猛者の話も聞いたことがあるけど、だいたいそうはいかなくて、最初は受け身にならざるえないから、さっさと処女は捨てたいものの、1回目は大概いやな思い出になる。
『HOW TO HAVE SEX』の主人公も、お決まりのスプリング・ブレイクで、イケイケのヤリチンとそうなっちゃうんだけど、帰りの飛行機に乗る頃には「実は、レイプされた」みたいな話になってる。
いやいやいや、いちからの顛末を、映画で見てるこっちからすると、あんた好きで付いていったじゃん?!ってなるけど、本人の気持ちの中ではレイプまがいなんだろうってのもよくわかる。
でも、あっちのイケメンの側に立つとさ、ちゃんと同意もとったし、何よりお決まりのスプリング・ブレイクなんだしさ、そこにいるみんながもうそこにいる時点でそれ目的なんだしさ、なに文句言ってんの?ってことだと思う。
ずっとそれで通ってきたし、そういう「失敗」とか「あやまち」とかが「青春」だったわけだけど、そういう「青春のあやまち」も許さない風潮になったみたいね。
特に、日本は「ネオテニー」だから、大人が子供のままなので、青春ってイニシエーションを許容しない。
ランジャタイの伊藤の件には驚いた。身分証で年齢確認を取ってたんだけど、その身分証が偽造だったって、それで何で伊藤が悪いのか全くわからない。
フェミニズムが暴走してる。
TBSのワシントン支局長の山口敬之がレイプした時に、マスコミが批判したか?。あの時は、山口敬之が安倍晋三のコネで警察を動かして、現場の警官が取っていた逮捕状をもみ消した。そんな重大事件を批判せずに、こんなランジャタイの件では活動中止になるって、つまり、フェミニズムは権力に逆らう気はないってことなのだ。
権力者がレイプした時は批判しないが、権力がない人間がレイプじゃなく同意のもとでセックスしたら、はい、身分証が偽造でした、アウト!ってのがフェミニズムなんだ。
現状のフェミニストってのは、弱者の立場を利用して手に入れた権力を絶対手放さないぞって思想以外の何者でもないらしい。
つまりはフェミニストって強い男(権力者)に甘えたいってのが本音みたい。男も女も日本人は変われないってことかな。