『#真相をお話しします』ネタバレ

 意外に面白い。隣で始終ポップコーンを食べてたのがうるさかったが、特に鑑賞の邪魔にならない。隣にひとがすわってるって状況は、つまり結構な客入りなわけで、たぶん流行ってるんじゃないかと思う。
 「#真相をお話しします」って、そういう名前の人気webサイトのことで、ゴシップの裏側を知ってる人が匿名で暴露して投げ銭をもらうシステムになってる。今なら、中居正広のあの事件は実は・・・とか、永野芽郁のともだちだけど・・・みたいな話をすれば、それでひとやま当てられるってわけですわ。
 で、そこで話されるゴシップがけっこう面白い。好井まさおとかがやってる「ヒトコワ」のよくできてるやつとおもえばよい。あれをちゃんとした役者さんの再現ドラマで面白く見られる。個人的には、伊藤英明の二話目が好き。
 オチとなる、この「#真相をお話しします」の運営者自身の秘密と過去の真相もなかなか手が込んでいてよい。んだけど、なんかこうラストが観客に問いかけてるみたいな、第四の壁みたいな終わり方なんだけど、それは、どっちらけだった。
 あんなんで考えさせられる観客います?。そういう私が腐ってるのかもしれないけど、作品としてメッセージ性がないなら、メッセージぶらないほうがいいと思う。なかったら、ないでええねん。あんた怖い人やぁ。
 エンタメに徹したほうがよかったと思うなぁ。たしかに、SNSにクズみたいな書き込みしてるやつはひどいと思いますよ。でも、この映画を見てそれを考えさせるのは無理じゃない?。
 正直言って、挿入あつかいの「ヒトコワ」エピソードの方ができがよい。全体をつらぬいてる大筋のプロットの方には、ちょっと無理がある。
 たとえば、いくらなんでも、サイト運営の妨げになるからってふたりも人を殺します?。
 しかも、自分の人生を親がネットにさらしてたって知ったら、まず、恨むのは親じゃね?。中条あやみがかわいそうじゃん?、あんないい女なのに。
 いろいろ無理だけど、そもそもこのサイトを運営してるあんたたちに言われたくない。全然共感できない。
 
 もういちど振り返ってみると、超人気ものだった過去を利用してこういうサイトを運営しているまでは無理がない。
 でも、子供のころのあの人気サイトは実は、彼らが親に騙されて晒されてたってことに気が付いて閉鎖することになったんです。も、無理がない。
 破綻してるのはその先で、映画のあらすじは今思い返してもうまく説明できない感じ。
 いままで、一緒に騙されてたと思ってたルー(中条あやみ)が実は親たちとグルになって私たちをだましていたことが分かった。それだけでなく、りんこを殺したのはルーだよねって話でよくね?。
 しかし、実際の映画では、ルーがりんこを殺したってずっと思ってたけど、チョモ(大森元貴)が余命一年になったからルーを殺すことにしました。証拠はないけど。でも、それを選ぶのはあなたたちです。見てるあなたたちがいちばん悪いからです。って「はぁ?」。
 つまりは、ルーが実はりんこを殺してたってその辺のドラマがうまく書けなかったんだよね。だから、メッセージがあるかのようなふわっとした終わらせ方しちゃった。
 単に話がまとまらなかったからメッセージあるかのように見せてる。そりゃ無理だって。よくないよなぁ、そういうの。
 原作はどうかしらないけど、シナリオ作りの段階で迷走しちゃったんだと思うなぁ。

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