9月14日にロサンゼルスで行われたエミー賞の受賞式で、受賞者のひとりハンナ・アインバインダーが「ユダヤ人として」ユダヤ人とイスラエルは違うと「パレスチナに自由を!」と叫んでスピーチを締めくくった。
また、同じ受賞式で、ハビエル・バルデムも
「ガザにおける大量虐殺を非難するために私は今日、ここにいます。大量虐殺を徹底的に研究してきた大量虐殺研究者国際協会(IAGS)が、大量虐殺であると宣言しました。だからこそ我々は、イスラエルに対する通商・外交封鎖、および制裁を求めているのです」
とインタビューに答えた。
また、それに先立つ8日には、ハビエル・バルデムに加えて、エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ティルダ・スウィントン、など1800人を超える俳優、芸能人、プロデューサーらが、パレスチナ人抑圧に加担していると見なすイスラエルの映画関連団体と仕事をしないとする誓約書に署名した。
誓約書では「アパルトヘイト(人種隔離)に反対する映画製作者連合がアパルトヘイト下の南アフリカでの映画上映を拒否したことに触発され、われわれはパレスチナ人に対するジェノサイド(大量虐殺)とアパルトヘイトに関与しているイスラエルの映画機関(映画祭、映画館、放送局、製作会社を含む)での映画上映、出演、その他の協力をしないことを表明する」とされている。
この5月には、ホアキン・フェニックス、スーザン・サランドン、リチャード・ギア、マーク・ラファロなど、ハリウッドの著名俳優ら約400人が連名で、ジェノサイドに対する映画業界の沈黙を非難する書簡を発表した。
書簡のタイトルは「カンヌで、ガザの恐怖を沈黙させてはならない」。冒頭では、ドキュメンタリー映画「Put Your Soul in Your Hand and Walk」の主人公でフォトジャーナリストのファティマ・ハスナがイスラエル軍に殺害されたことに言及した。
おそろしいことに、ファティマ・ハスナは4月、「カンヌ映画祭での上映が発表された直後」にイスラエル軍の空爆に遭い、命を奪われた。
書簡には
「社会的に意義のある作品が生まれる場であるはずの映画界が、現実の恐怖や、同胞が受けている抑圧に、なぜこれほどまでに無関心であるように見えるのでしょうか?」
「芸術家や文化の担い手として、ガザでジェノサイドが起き、言葉にできないほどのニュースが私たちのコミュニティを深く傷つけている中、沈黙を続けるわけにはいきません。」
「歴史から教訓を引き出し、信念を持って映画をつくることがこの職業の意義でないのなら、そして抑圧された声を守るために存在しないのなら、私たちの職業にはいったい何の意味があるのでしょうか?」
「我々の芸術が、最悪の事態の共犯者となることを拒否しましょう」
「私たちには闘う義務がある」「ファティマのために、そして無関心のうちに死んでいくすべての人々のために。映画にはメッセージを伝え、社会を反映する義務がある。手遅れになる前に行動を」
と呼びかけた。
戦後80年、おびただしい数のホロコースト映画が作られてきた。今、この目の前のジェノサイドから目をそらし、沈黙を守ってやり過ごして、この先どのつら下げてホロコースト映画を作るつもりなのか。
先にも書いたように『コルチャック先生』ですら、さすがに冷笑的な気分でしか見られなかった。コルチャック先生その人ならともかく、役者が演じてるんだから。そうでしょう。
ガザのこのジェノサイドを黙って見逃した奴がホロコーストを演じて、それ見て泣けるか?。
世界的には、イスラエルを非難する声はまさに燎原の火のように燃え広がっている。
スペインのペドロ・サンチェス首相は9月15日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を理由に、国際スポーツ大会へのイスラエルの出場禁止を求めた。
ロシアが国際大会から締め出されてるのに何でイスラエルは許されてるんだってもっともな話だ。
スペインでは9月15日に行われていた第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)のコースに10万人のデモが乱入してレースが中止に追い込まれたのだが、スペインのサンチェス首相はデモ参加者を「称賛」すると表明した。
また世界最大の生放送音楽イベント、ユーロビジョンにイスラエルを排除できなければ、アイルランド、スロベニア、アイスランド、そしてオランダがすでにボイコットを表明している。スペインも不参加のようだ。
圧巻が先月にシドニーのハーバーブリッジで行われた90000人のデモ。
ところが、当のイスラエル国民は「イスラエルのユダヤ人、8割が『ガザの人の苦しみ考慮する必要なし』」だそうだ。ただし、これは2023年だが、『壁の外側と内側』を観る限りではよくなったようにはみえなかった。
これ3度目だけどもう一回言っておく。
イスラエルは外部からガザへの支援物資搬入を阻止しながら、GHFという団体の物資配給所をレッドゾンドと言われる立ち入り禁止区域にもうけて、そこに配給を受け取りに来るパレスチナ人を撃ち殺している。
日本のテレビってよくこれだけの事件を黙殺しつづけられるなと。まあどこかではやってるのかも。あまりテレビを見ないので。