スナフキンと加瀬亮

私の男としてのロールモデルはいまだにスナフキン次元大介
しかし、このスナフキンの携帯ストラップは、健康飲料のおまけのせいかパイプを咥えていない。スナフキンがパイプを咥えていないことがあっかどうか。
そのせいか、このスナフキンの顔は「重力ピエロ」の加瀬亮に似ている。(「インスタント沼」のときとは全然違うけど)
わたくし、「重力ピエロ」について書いたときに、「迷いのない、輪郭のはっきりした芝居」と評したのだけれど、少し違ったのではないかと思い返した。彼はたぶん「正確な芝居」を目指していて、そして彼の芝居はたぶんこれしかないというほど正確なのである。

笑福亭鶴瓶が阿川佐知子と「家族に乾杯」について話していたことには、ともすると面白くしようとする番組のスタッフに、普通のことを普通に撮るのがおもしろいんだ、という意識を徹底しているそうだ。「ディアドクター」の評判すこぶるいい。関西人にとっては自明のことだが、笑福亭鶴瓶はほんもののプロである。
各方面から抗議が殺到している、NHKの「JAPANデビュー」という番組は、日本が国際社会にデビューして敗戦に至るまでを描く壮大な構想であったらしいので、年寄りのインタビューに少し手を加えるくらいかまわないと思ったのかもしれない。
例のNHKに対する抗議デモは、産経新聞だけがとりあげているようだ。
NHK相手に8400人が集団提訴 「JAPANデビュー」歪曲報道で
ただこれは、親日反日に歪曲したから産経新聞が報道したので、逆であったら、たぶん別の新聞社が報道することになっただろう。
同じ新聞によると
「日本統治下の台湾を取り上げたNHK番組が偏向しているとして、自民党安倍晋三元首相、中川昭一財務相ら有志議員は11日、内容を検証する議員連盟「公共放送のあり方について考える議員の会」を11日、発足させた。」
のだそうだが、これも反日的な国を親日的に描いていたら、こういう行動を起こしていたかどうか。
ただ、このメンツ、どこかでお目にかかったと思ったら、舞台も同じNHKの「従軍慰安婦番組改竄事件」でおなじみの二人ではないか。
二匹目のドジョウで敗者復活狙いだろうか。
今となってみれば、安倍晋三の「美しい国」がどういうものであったかが得心がいく。「従軍慰安婦を強制連行などしていないし、沖縄の集団自決も強制していないし、台湾の人たちはみんな親日的だし」というようなことを「美しい国」と言っていたのだろう。
安倍晋三の著書が「美しい国」、麻生太郎の著書が「とてつもない国」。どこかの本屋でこの二冊が背表紙を並べていたらきっとふきだしてしまうだろう。
麻生太郎は、総理就任当時「経済と外交は自分が一番使える」とか言っていたと思うが、後に明らかになったことは、それは単に、「社長の息子で英語がしゃべれる」という内容だったようだ。
ふたりともきっと「俺はできる」と思ったのだろう。その気持ちは本の題名によく表れている。だが、今にして思えばそれは、挫折を知らないお坊ちゃんの誇大妄想にすぎなかった。
安倍晋三麻生太郎中川昭一鳩山邦夫、これらのメンツを眺めていると、たしかに議員の世襲は制限してもよいのではないかと思えてくる。ただし、現職の世襲議員もバッチをはずすという条件ならだけど。